ご親族の衣裳選びの基本

ご親族の衣裳選びの基本

ご友人の結婚式に列席した経験はあるけれど、親戚の結婚式にはどのような服装で臨めばいいのでしょう。
これまでも、そしてこれからもつながりのある親戚の門出を気持ちよくお祝いできるように、服装について一緒に考えてみましょう。

男性の親族ゲストの装いの基本 ―親御さまのご兄弟、ご新郎ご新婦のご兄弟編―

ご新郎ご新婦の親御さまのご兄弟(叔父さま)は、主催者ではありませんが、準主催者としての立ち居振る舞いも大切になってきます。 男性のご親族の方でしたら、ブラックスーツが最適です。黒は世界共通のフォーマルカラーで、日本の男性にも慶事や弔事など、もっとも着こなされている色です。
シャツは白無地、ネクタイはお祝いの席にふさわしい白またはパールグレイを選ばれるといいでしょう。 ご新郎ご新婦のご兄弟で、お若い方でしたら、ブラックスーツをお持ちでない方もいらっしゃると思います。 その場合は、ネイビーや濃いグレーなどのダークスーツをお召しいただいて、明るいネクタイやカラータイで合わせていただくことをおすすめします。なお、スーツは柄の入っていない無地のものをお召しください。

■衣装選びの心がまえ

1: ご友人の結婚式に列席するよりも改まった装いを心がけましょう。
2: 招待状に「平服で」というドレスコードがある場合にも、基本的にはスーツを着用されるとよいでしょう。
3: 喪服を連想させる黒いネクタイの着用は避けるようにしましょう。

女性の親族ゲストの装いの基本 ―親御さまのご姉妹、ご新郎ご新婦のご姉妹編―

女性の場合、和装を選ばれるか洋装を選ばれるかでドレスコードは違ってきます。大切なポイントはご新婦より控えめのおしゃれを楽しむこと。 普段の装いよりも少し格式のある衣装を選びましょう。
■和装の場合
和装をお召しになる場合には、大きく分けて既婚と未婚、そしてご年齢によって最適なお衣装が変わってきます。

◇振袖
20代前半の未婚の方でしたら、ミスの正礼装にあたる華やかな振袖がおすすめです。
振袖をお召しになる際に気をつけたいポイントは、ご新婦がお色直しで和装を着用される場合に色や柄がかぶらないようにすること。
また、20代でも既婚の方が振袖をお召しになるのはNGです。

◇黒留袖・色留袖
黒留袖はミセスの正礼装で、色留袖も黒留袖と同じ格式にあたり、色留袖の場合はミス・ミセスを問わずお召しいただけます。大勢のお客さまをお招きする結婚式でしたら、ご親族さまでも正礼装で臨まれてもよろしいかと思います。留袖は裾に模様が描かれており、背中、両そで、両胸の5カ所に染め抜きの家紋が入ります。年代や結婚式の格式に合わせて色や柄を選ばれることをおすすめします。

◇訪問着
ミス・ミセスを問わずお召しいただける準礼装です。既婚の方でもお若い方でしたら正礼装の色留袖は落ち着いて見えてしまうので、模様や色味も鮮やかな訪問着のほうがおすすめです。訪問着と留袖の大きな違いは、着物に占める模様の位置と家紋がついているかにあります。訪問着は裾だけでなく、胸元や背中にも模様が描かれているのでとても華やか。お祝いの席に相応しい素材や吉祥分様をお選びになるとよいでしょう。

左から、色留袖、訪問着、黒留袖

小紋は普段着と同じ扱いに

着物全体に柄が入った小紋は、種類としてはおしゃれ着に該当します。洋服でいうところのスカートにブラウスといったお召し物になるため、結婚式という華やかな席にふさわしくありません。小紋はちょっとしたお出かけやパーティにお召しになるのに最適な着物ですので、 結婚式では訪問着以上の格を意識して選んでみましょう。

■洋装の場合

日本では和装と洋装の両方が結婚式のお呼ばれ服として浸透してることもあり、洋装のドレスコードに厳密な決まりがありません。そのため、どのような洋装がフォーマルなのか余計に悩んでしまいます。
世界共通のドレスコードは、日中と夜の時間帯により分けられていて、日中はアフタヌーンドレス、夜はイブニングドレスが正礼装になります。いずれもロングドレスが基本ですので、ご新郎ご新婦の親御さまのご姉妹(叔母さま)や40代以上の女性に選ばれることが多いようです。
ご新郎ご新婦のご姉妹で、お若い方でしたら、フォーマルな装いのワンピースを選ばれるといいでしょう。ツーピースといったスーツは、カジュアルな装いとみなされるので、避けた方が無難です。

■洋装選びの心がまえ

1: 親戚として列席する場合は、お招きするお客様よりも華やかさをワンランク下げた装いがマナー。華やかさを抑えて格式高く装いましょう。
2: 靴の基本はパンプス。出来ればヒールのあるものを選ぶことをおすすめします。
3: 白いお召し物はご新婦さまの象徴。ストールなどの小物でも白がベースにならないものを着用しましょう。

衣装選びで気をつけたいことやタブー

和装の場合は、ある程度の決まりがあるので間違えることはほとんどないのですが、洋装ではいくつか気をつけたいこと、避けたいことがあります。

肌の露出を抑える 胸元が大きく開いたドレスやノースリーブのワンピースなど、
肌の露出の多い服装は好まれません。
ノースリーブのワンピースには、ストールやボレロなど
上から羽織れるものを合わせるようにしましょう。
光り物はつけすぎない 主役はご新婦ですので、それ以上に目立たないことが
大原則になります。パールやゴールド、シルバーなどのアクセサリーは
つけすぎないことを心がけましょう。
胸元にアクセントをプラスするならコサージュ使いもおすすめです。
つま先の出るサンダルや
素足を避ける
タブーというわけではありませんが、マナーを熟知する
年配ゲストの方からふさわしい装いではないと思われがちなのが、
足元のおしゃれです。ミュールやサンダルなどつま先の出る靴は、
普段着の延長をイメージさせるため好ましくありません。
ヒールがあり、先のある靴を選ばれるといいでしょう。
かかとだけがバックベルトになっているものはOKです。
殺生を想像させる
素材の装い
爬虫類系のバッグや小物は「殺生」を意味するということで、
おめでたい席ではタブーとされています。
また毛皮も同じ意味合いから避けた方がいい装いです。
金具のついた靴や
ブーツもNG
男性、女性ともに金具の飾りがついた靴やブーツは
普段着の延長と見られるため、避けた方が無難です。
男性の場合は、もっともフォーマルな「ストレートチップシューズ」
もしくは「プレーントゥシューズ」を着用してください。

親族の方々にとって服装選びは、お知り合いの結婚式に列席するとき以上に気配りが大切になってきます。
どんな装いで臨めば会場の雰囲気や格式に合うのか、決まり事を抑えて、お祝いに華を添える服装を心がけましょう。

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