いまは略式結納が一般的!略式結納の流れと注意点を解説

いまは略式結納が一般的!略式結納の流れと注意点を解説

それぞれの親御様へのご挨拶を終えたら、次は両家の親御様同士が顔を合わせる番です。
このタイミングで行われる婚約の儀式を結納といい、昔ながらの形式で行うものを「正式結納」と呼びますが、最近では料亭やホテルを会場にする「略式結納」が主流となっています。
略式結納は、正式結納とどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、略式結納の定義や正式結納との違い、メリット・デメリット、必要なもの、そして結納の流れを解説します。結納を予定している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

略式結納とは

略式結納とは、仲人を立てずに両家だけで行う結納のことです。従来の正式結納では、仲人が両家を行き来して結納品や受書のやり取りを行い、両家が直接会わずに執り行われていました。
一方、略式結納は、両家がホテルや式場、料亭などで直接顔を合わせて行います。
ご結婚にあたり結納の儀式を検討している方は、以下の3つを把握しておくとより略式結納のイメージがしやすくなるでしょう。

1. 正式結納や顔合わせとの違い

正式結納では、仲人を立てて結納を行います。結納は、結婚予定の両家で金品をやり取りし、両家の繋がりをより強く結ぶという意味合いがあります。仲人が結婚予定の両家に結納品を受け渡すのが流れで、結納時の両家の顔合わせはありません。
そのため、結納とは別の機会に食事会などを設けて顔合わせをし、両家の仲を深めるのが主流です。
一方、略式結納では、結納のときに両家の顔合わせとなる場合が多く見られます。

2. 仲人なしで結納を行うケースが多い

かつて、結納や結婚には仲人が立ち合うしきたりがありました。「仲人は親も同然」という格言があるほど結婚における仲人の影響力は強いものでしたが、時代の変化とともに仲人を設定する結婚は減少し続けています。
仲人を立てる場合であっても、大半が形式上の仲人を設定するだけで、結納は仲人なしで執り行われるケースが主流となっています。
首都圏を対象とした調査では、2017年には98.4%の方が仲人を立てずに結納を行いました。2018年は87.8%と一旦減少したものの、2019年以降は毎年95%以上の結婚で仲人を立てずに結納が行われています。
また、結納そのものをしないケースも多く、両家の顔合わせのみを行う方も多くいます。
2023年に結婚した方のうち、結納と顔合わせを両方行ったケースは5.0%、結納のみ行ったのは0.6%でした。
「両家の顔合わせのみ行った」と回答したのは85.1%と、全体のほとんどを顔合わせのみが占めています。

▼仲人を立てなかった方の割合(2023年調査、首都圏)

2017年 98.4%
2018年 87.8%
2019年 97.8%
2020年 96.3%
2021年 95.1%
2022年 96.3%
2023年 96.9%

▼結納・顔合わせの実施率(2023年調査、首都圏)

結納と顔合わせ両方行った 5.0%
結納のみ行った 0.6%
両家の顔合わせのみ行った 85.1%
どちらも行わなかった 8.9%
無回答 0.4%

参照:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏

3. 結納の相場

食事代を含めた結納式の相場費用は、以下の通りです。
結納金や結納品の品目数によって金額は異なりますが、どの価格帯も一定数いることが分かります。略式結納を執り行うと決まったら、自分達の予算に合わせて検討すると良いでしょう。

▼食事を含めた結納式の費用(2023年調査、首都圏)

費用 割合
0円 15.4%
5万円未満 7.7%
5~10万円未満 15.4%
10~15万円未満 7.7%
15~20万円未満 7.7%
20~25万円未満 7.7%
25~30万円未満 7.7%
30万円以上 30.8%

参照:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏

2.略式結納を行うメリットとデメリット

昔ながらの堅苦しさがなく、両家だけで行えることから多くの方に選ばれている略式結納ですが、良い面ばかりではありません。略式結納をするか、顔合わせのみを行うかで悩んでいる場合は、両家のご家族にも相談し、了承を得たうえで決定すると良いでしょう。事前にメリットとデメリットの両方を把握しておくことで、皆が納得できる選択がしやすくなります。

略式結納のメリット

正式結納とは異なり、略式結納では仲人がいなくても行えます。仲人を探す必要がないため、結婚までのおふたりや家族の負担を減らせるのは魅力です。
略式結納では、結納金なしや結納金のみ(結納品のみ)など、実施の仕方はさまざま。希望に合わせて決められるので、正式結納よりも費用を抑えられるメリットがあります。
結納にかかる費用を抑えた分、そのお金を結婚式や新婚生活、新婚旅行の予算にあてられるでしょう。

略式結納のデメリット

略式結納をホテルや式場などで執り行うのであれば、結納式費用が発生します。両家のどちらかの家で行う場合でも、一般的には結納金や結納品を渡す儀式があるため、ある程度のお金はかかるでしょう。
そのため、なるべく費用をかけないよう両家の顔合わせのみで済ませる方も多くいます。結納式費用を節約し、結婚式や新婚旅行などにあてたい場合は、両家の顔合わせだけで済ませるのもひとつの手です。

3.略式結納に必要なもの4つ

正式結納よりも簡略化されている略式結納ですが、結納式にあたり用意しなくてはならないものがあります。
ここからは、略式結納に必要なものについて解説します。

1. 結納金

結納金とは、結納式に必要な結納品のひとつです。古来は「立派に育ててくださったお嬢様を嫁にもらう」というお礼の意味を込め、男性の家から女性の家に渡されていましたが、戦後以降、お礼という意味は薄れていきました。
現代における結納金は、ふたりの結婚の準備金という位置付けで贈られています。
結納で用意する結納金の額は人それぞれです。2023年の調査による結納金の相場は以下の通りとなっています。

▼結納金の金額(2023年調査、首都圏)

50万円未満 4.2%
50~100万円未満 4.2%
100~150万円未満 83.3%
150~200万円未満 4.2%
200万円以上 4.2%

参照:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏

2. 結納品

結納品とは、結納式で贈る縁起物のことです。略式結納では結納金のみで結納品を省略するケースもありますが、伝統的な儀式で「けじめをつける」という目的で、結納金と結納品の両方を用意する場合もあります。
結納品は、縁起を担いで合計品目が割り切れない数にするのが決まりです。奇数でさえあれば何品でも良いため、両家で話し合って決めると良いでしょう。
現在の結納品のスタンダードは「熨斗(のし)」「末広(すえひろ)」「結納金」の3つです。品目数に迷っている場合は、この3品を準備しておくことをおすすめします。
ただし、結納品には大きく分けて関東式と関西式の2様式があり、品目の種類や飾り方、載せ方が異なります。
また、地域によって結納品の種類や品目数に決まりがあり、地域ならではのしきたりに従わなくてはならないケースもあるでしょう。
両家の地域が異なる場合は、どのようなスタイルで結納品の取り交わしを行うか、事前に話し合って決めておくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

▼結納品の品目数(2023年調査、首都圏)

3品目 8.3%
5品目 33.3%
7品目 8.3%
9品目 16.7%
11品目 8.3%
13品目 8.3%
分からない 16.7%
それ以外・無回答

参照:ゼクシィ結婚トレンド調査 2023 首都圏

3. 受書

受書とは、結納品を受け取ったことを伝える「受領書」にあたるものです。仲人が両家を行き来して結納を執り行っていた頃は、目録に書いてある品を確認し、受書を書いて渡していました。現在では仲人を立てた結納はほとんどありませんが、伝統的な儀式のひとつとして、多くの略式結納でも受書を用意します。
贈る側があらかじめ結納品の内容を知っていることから、現代では目録とセットで用意するのが一般的です。受書は、結納品を扱うお店や会場で手配してくれます。
もし贈る側が受書を準備していない場合でも、細かい品目は書かずに「受け取ったこと」と「感謝の言葉」だけを書いたものを受け取る側が用意すれば問題ありません。

最近では略式結納と両家の顔合わせを同時に行うケースも多いことから、そもそも受書を準備しない場合もあります。両家が集まる略式結納の場合は、受書を準備するのか、おふたりのどちらが用意するかを事前に話し合っておくと良いでしょう。

4.婚約記念品

婚約記念品とは、結婚を約束した証や記念としてお相手に贈る品物のことです。代表的な記念品として、婚約指輪や時計などが挙げられます。略式結納で婚約記念品を交換する場合は、会場へ持参するのが通例です。
「プロポーズの際に婚約指輪を渡した」など、すでに婚約記念品を渡している、または交換している場合は、結納の日に用意してお披露目する場合もあります。
婚約記念品は、必ずしも贈る必要はありません。婚約記念品にはお金をかけずに、「新婚旅行や新婚生活にお金をかけたい!」という方もいるでしょう。
婚約記念品を贈るかどうかは、おふたりの考え方に合わせて決めることをおすすめします。

4.略式結納の流れ

略式結納の場合、結納自体の所要時間は、全体で20分ほどになります。正しい手順と結納用の口上などもありますので、全体の流れに合わせてご紹介します。

1.結納品の飾り付け

和室の場合は床の間か床の間の前、洋間ならテーブルの上に結納品を飾り付けるのが基本です。男性側が先に部屋に入り飾り付けを行い、着席し、その後女性側が同様に部屋に入り飾り付けを施し着席します。

2.始めの挨拶

男性側の父親が進行するのが一般的です。メモを見ながらの進行でもマナー違反にはあたらないのですが、挨拶は次のように行います。下記に挙げる口上は代表的な挨拶になりますので、参考にしてみてください。

「このたび、お嬢さまと私どもの息子とご縁がありましたこと大変嬉しく思っております。
本日はお日柄もよろしく結納を納めさせていただきます。」

3.結納品を納める(男性→女性)

始めの挨拶が済んだら男性の母親が結納品の場所へ赴き、結納品を片木盆(へきぼん)に載せ、お盆ごと女性の前に運び、母親は一礼して席に戻ります。次に男性の父親が、「ご縁組の印として結納の品々を納めさせていただきます。目録をお改めの上、幾久しくお納めください。」と述べます。

4.女性側からの受書の渡し

女性側が、「結納品の目録」を取り出し確認をします。確認が済んだら目録を元に戻し、女性本人が「ありがとうございます。ご結納の品、幾久しくお受けいたします」と述べます。

続いて女性の母親が結納品を床の間へ運び、「受け取りました」という「受書」を男性に渡し、「受書でございます。幾久しくお納めください」と伝達します。男性は受書を確認し、続いて父母も確認します。

5.結納品を納める(女性から男性へ)

結納品の納め方も地域によって異なります。関西式の場合、男性側のみ結納品を納めて終了となります。関東式では、「3. 結納品を納める(男性→女性)」までは同じ流れになりますが、女性側から男性側へ結納品を納めます。

6.男性側からの受書の渡し

関東式においては「4. 女性側からの受書の渡し」と同じ流れで男性側から女性側に受書を渡します。

7.婚約記念品を披露する

婚約指輪などの「婚約記念品」を準備している場合、お互いに交換します。すでに婚約記念品を交換済みの場合は、この場でお互いの親御様にお披露目すると良いでしょう。

8.締めの挨拶

男性の父親が「本日はありがとうございました。おかげさまで、無事結納を納めることができました。今後ともよろしくお願いいたします」と締めの挨拶をします。女性側の父親も「こちらこそありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」と挨拶します。

その後、両家での記念撮影を行い、食事会に進む流れになります。

5.略式結納を行う際の注意点5つ

正式な儀式よりも簡略的だからといって、どう振る舞っても良い訳ではありません。略式とはいっても、結納は婚約を取り交わす伝統的な儀式です。昔ながらの決まりや最低限のマナーなど、いくつかの注意点があります。注意点を理解しておかないと失礼になる場合もあるので、事前にしっかりと把握してからのぞむようにしましょう。

1. 当人だけで決めない

ふたりで決めた結婚ですから、略式結納に向けて当人同士で話し合いを進めるのが大切です。しかし、親御様のお気持ちや希望もあると考えて、結納金の有無などは両家に相談するのがおすすめ。特に両家の地域が異なる場合は、関東式や関西式、その他の形式など、それぞれ準備する結納品の内容やしきたりが異なります。当人だけですべてを決めないようにして、必ず両家の親御様と相談しましょう。
事前に相談しながら進めることで、考えの違いによるトラブルが起きずスムーズに準備することができます。

2. 使ってはいけない忌み言葉

結納の最中は私語を慎み、粛々と進めます。また、結納はおめでたい席になるので、縁起が悪いとされる以下の「忌み言葉(いみことば)」は使わないようにしてください。

「破談や別れをイメージさせるネガティブな言葉は使わない」と覚えておき、会話中うっかり使用しないよう意識しましょう。

  • 別れる(分かれる)
  • 切れる
  • 離れる
  • 壊れる
  • 「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」といった重ね言葉

3. 結納品は風呂敷に包んで持参

結納品は、風呂敷に包んで持参するのがマナーです。紙袋・ビニール袋で代用してはいけません。その際、結納品を包む際、結ばず掛けるようにしましょう。大きい結納品の場合では、一箇所だけ結ぶ方法も許されていますが、結び目を持たないように注意してください。一般的に別れを連想させるものとして結び目があり、作らないほうが良いとされています。

結納品を持ち帰る場合は、逆に「結んだ縁がほどけないよう」しっかり風呂敷を結びます。

4. 結納品を使いまわさないようにする

基本的に、結納品の使いまわしは行いません。多くの地域では使いまわしを良しとせず、人には譲らないのが原則です。しかし、地域によっては「福分け」という縁起の良いしきたりがあり、兄弟姉妹などで使いまわすところもあります。ですが、すべての地域に当てはまる習慣ではないため注意が必要です。
使いまわすしきたりがあるのを知らない方からすると、失礼にあたる可能性があります。出身地が違う、地域の異なる両家の場合はお互いの地域の習慣を事前に確認するようにしましょう。

5.関東と関西で異なる

関東と関西では、略式結納の内容や結納品が異なります。主な違いは結納品の贈り方と品目、飾り方の3つです。
また、結納品の品目にも違いがあります。品目の種類や用意する品目も異なる他、結納金など同じものでも呼び方が変わるものもあるため注意が必要です。
例えば、関東式では婚約指輪は婚約記念品として数え、結納品には含みませんが、関西式では結納品に含まれます。
また、関東式の結納品はひとつの台にすべての結納品をまとめて載せるのが主流ですが、関西式は結納品を1つずつ台に載せるのが一般的です。出身地が異なる場合は事前に確認しておくようにしましょう。

▼結納品の品目の違い

関東式 関西式
家内喜多留(やなぎだる):食事代・お酒代 家内喜多留酒料(やなぎだる):お酒代
末広(すえひろ):白い扇子 寿恵廣・末広(すえひろ):白い扇子
友白髪(ともしらが):白い麻紐や麻糸 高砂(たかさご):白髪の老夫婦人形
子生婦(こんぶ):昆布 子生婦(こんぶ):昆布
寿留女(するめ):スルメ 寿留女(するめ):スルメ
勝男節(かつおぶし):鰹節 松魚料(まつうおりょう):食事代
金峰包(きんぽうつづみ)、御帯料(おんおびりょう):結納金 小袖料(こそでりょう):結納金
長熨斗(ながのし):あわびを伸ばしたもの 熨斗(のし):あわびを伸ばしたもの
目録(もくろく):結納品リスト 結美和(ゆびわ):婚約指輪

結納品に対する考え方

関東式の場合、両家の双方で結納品を用意して贈り合うのが一般的です。
それに対し、関西式の結納では男性側のみが結納品を準備します。女性側は結納品を用意せず、結納品の受書のみを渡すのが主流です。
そのため、関東式では結納品のひとつに結納品リストを記載した「目録」がありますが、関西式では目録を結納品としては数えません。

 

結納返しで贈る金額

関東では、男性側からもらった結納金の半分程度を品物やお金で渡すことが多い傾向にあります。関西では、結納返しをしない、または結納返しをしても1割程度が主流です。
ただ、最近では関東・関西など地域の習慣にこだわらず、結納返しについては両家で話し合って決めることも増えてきています。

このように地域による違いがあることを念頭に、スムーズに結納を行えるように余裕を持って準備しておきましょう。

仲人を立てず、両家だけでホテルや式場で行える略式結納は、正式結納よりも堅苦しくなく行える、また、両家の顔合わせも兼ねて行えることから、正式結納よりも選ばれている傾向にあります。
ただし、地域の風習やしきたりによって準備すべきものや進め方に違いがあります。簡略的なスタイルとは言え、注意すべき点や最低限のマナーもあるので、事前に調べるのはもちろん、両家でしっかりと話し合いを行いましょう。

結納は昔ながらの伝統的な文化ですが、現代において儀式に慣れている方はそう多くありません。略式結納を検討しているなら、準備や進行をサポートしてくれる略式結納に詳しい結婚式場やホテルなどに相談するのもひとつの手です。結納後の結婚式も検討しているなら、略式結納と結婚式の両方を一度に相談できるところを選ぶと良いでしょう。

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