結婚式と披露宴の違いを詳しく解説
結婚式と披露宴は、同時に行うことが多いためセットであると思いがちですが、実は異なるものです。
結婚式と披露宴の違いについて質問されても、ふたつの違いについて曖昧だ、という方は意外に少なくないのではないでしょうか。
結婚式と披露宴は、意味だけではなく目的も異なります。
本記事では、結婚式と披露宴の違いや、結婚式だけを行う場合と披露宴だけを行う場合のメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介します。
目次
1.結婚式と披露宴の違いとは?
結婚式と披露宴を同時に行うことが多いため、それぞれの意味や違いについてはよくわからないという方も多いでしょう。まずは、結婚式と披露宴の違いについてご紹介します。
結婚式とは、神様や参列者の前でふたりが愛を誓い、夫婦となることを決意する儀式のことです。結婚の証として指輪の交換や誓いのキス、署名などを行います。よく耳にする「挙式」とは、結婚式を挙げることを意味します。
このような欧米の結婚式のスタイルが日本で広まったきっかけは、1900年(明治33年)の大正天皇と貞明皇后の「結婚の儀」だといわれています。このときに行われた神前式の結婚式から26年後の1926年(大正15年/昭和元年)に、東京大神宮が民間の方も神前式での結婚式を行うことができるようにしたことから広まりました。
披露宴とは、結婚したことを披露するために親戚や知人、友人を招いて行う宴会のことです。お世話になった方々に感謝の気持ちを込めて、一緒に料理やお酒を楽しみながらお祝いの宴を行います。新郎新婦は、披露宴でウエディングケーキ入刀やキャンドルサービスなどさまざまな演出を行い、ゲストをもてなします。また、ゲストからはお祝いのお言葉をいただいたり、友人に余興を披露してもらったりすることもあります。
このように、結婚式は新郎新婦ふたりが愛を誓う儀式であり、披露宴はお世話になった方々にパートナーを紹介する宴であるという目的の違いがあります。
2.結婚式(挙式)の4つのスタイル
結婚式の挙式スタイルには、大きく分けて「キリスト教式」「神前式」「仏前式」「人前式」の4つのスタイルがあります。ここでは、そのスタイルの違いと特徴についてご紹介します。
キリスト教式
教会やホテルなどのチャペルにて、キリスト教の神様に結婚を誓う儀式を行います。教会によってはキリスト教の信者でなければ挙式することができないところもあるので、事前に確認をしましょう。
ホテルや式場のチャペルでは、どなたでも挙式することができます。キリスト教式は、多くの女性が憧れる人気が高い結婚式のスタイルです。
神前式
神社やホテル・式場などの神殿で、神道の神様に結婚を誓う儀式を行います。神社の宮司が式を取り仕切り、三三九度の杯を交わして契りを結びます。新郎は紋付羽織袴、新婦は白無垢や色打掛などの和装で、厳かな雰囲気で結婚式が行われます。神前式においても、教会式のように指輪の交換を行うカップルも増えています。
仏前式
仏前式は、菩提寺や自宅、ホテルの式場など仏様の前で結婚式を行います。仏教では、結婚するふたりは、生まれる前からの因縁に基づいているという教えがあります。結婚式では、仏様や先祖、ふたりの縁に感謝します。
一般的には、寺院で挙式できるのは信徒だけですが、誰でも式を挙げられるところもあります。
人前式
人前式は、場所を問わず参列者が証人となり愛を誓うものです。宗教は関係ないため、神父や宮司、僧侶などの決められた立会人は必要ありません。内容も儀式のルールもふたりで自由に決めることができます。
服装も和装、洋装のどちらでも構いません。オリジナリティあふれる挙式を行うことが可能です。
3.多様化する披露宴のスタイル
披露宴でもっとも多いのは、ホテルや式場の披露宴会場で食事やお酒などを楽しんでもらうスタイルです。
会場を盛り上げるケーキカットやファーストバイトなどの演出や、キャンドルサービスなどで各テーブルを回り、ゲストと直接触れ合う場を設けます。花嫁から両親への感謝の手紙を読み感動の涙を誘う演出を行うのも定番です。しかし現在では、披露宴のスタイルが多様化し、より新郎新婦の趣向が反映しやすくなっています。ここでは、今までのスタイルにとらわれない、さまざまな披露宴のスタイルをご紹介します。
二部制の披露宴
二部制の披露宴とは、同じ日に同じ会場で披露宴を二回に分けて行うことです。
たとえば、一部の披露宴では親族や会社関係の人を招待します。年配の方やお子さんがいる場合には、昼間に披露宴を行う方がゲストへの負担が少なくなります。
二部では友人を招待します。親しい友人だけの披露宴は固くならずにカジュアルな雰囲気を演出することができます。招待するゲストに合わせて雰囲気を変えることができるため、人気が高まっている披露宴のスタイルです。
多くのゲストを招待できますし、ゲストに合わせたスタイルにできる点もメリットとしてあげられます。
新郎新婦には体力的な負担が大きくなるというデメリットもありますが、ゲストと一緒に楽しめる時間は、あっという間に感じられるのではないでしょうか。
コース料理形式の披露宴
披露宴で振る舞われる料理は、ゲストの楽しみのひとつです。一般的な披露宴会場やホテルでの披露宴では、コース料理形式の披露宴が行われることが多くなっています。料理の印象は披露宴の印象にもなるため、披露宴の中でも重要な要素のひとつです。
ご友人も招待する場合は、長いひとつのテーブルを囲むスタイルにすると、新郎新婦との歓談とお料理の両方を楽しむことができます。
立食スタイルのカジュアルな披露宴
カジュアルな披露宴を希望される方には、立食スタイルがおすすめです。
着席のコーススタイルと比較すると自由度が高くなります。お料理は均等に運ばれるわけではありませんが、ゲストが好きなものだけを選ぶことができるというメリットがあります。決められた席がなく、人数も制限されにくいため急なキャンセルがあっても対応しやすいでしょう。年配の方や小さいお子さん、妊婦の方にも配慮していくつかの席を用意すると喜ばれます。
宴内人前式を行う
人前式を披露宴会場で行うことを「宴内人前式」といいます。
オリジナリティがあり、かつ費用を抑えられる結婚式にできるため、人気が高まっています。
式場で結婚式を行うと、どうしても進行どおりに行わなければなりません。宴内人前式には特に決まりはないため自由度が高く、カジュアルになるという点も人気の理由です。厳かな雰囲気の結婚式も素敵ですが、ふたりらしい結婚式を行うことができるのも魅力的です。
オリジナルの結婚証明書を作成してサインをすれば、良い記念になります。法的な決まりはないので、ゲストにも参加してもらった記念に署名をしてもらうと、大勢の人に証人になってもらったという特別感がアップします。
披露宴の会場については、以下のページでご紹介しています。
「ホテル椿山荘東京」はそれぞれの披露宴形式に合う会場をご提案いたします。収容人数別だけでなく、披露宴のイメージに沿うような会場を複数ご用意しています。
4.結婚式は必ず挙式と披露宴をセットで行うべき?
結婚式と披露宴をセットで行うケースが多くみられるため、セットで行うべきか迷うカップルも少なくないでしょう。
結婚式と披露宴はセットで行わなくても、問題ありません。
「結婚式だけ開催する」「結婚式は挙げずに、結婚報告会を兼ねた食事会をする」などの方法もあります。ふたりで相談して、自分たちに合ったスタイルのものを選びましょう。
「結婚式だけ」「披露宴だけ」で行う場合のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
「挙式だけ」「披露宴だけ」で行う場合のメリット
結婚式費用を抑えられる
結婚式と披露宴の両方を行うよりも、どちらか一方だけにすることで費用を抑えることができます。
費用を抑えたいという方は、結婚式だけを行うと良いでしょう。
披露宴を行う際には、食事や引出物を用意する必要があります。また、会場の装飾代や余興などで使うものにも費用がかかります。
しかし、結婚式だけを行う場合は、衣装とヘアメイクや写真撮影などがセットになったプランもあり、比較的リーズナブルな傾向にあります。
事前準備が少ない
結婚式と披露宴を両方行うということは、その分事前準備も必要です。
結婚式を行う場合には、衣装や髪形、小物などの準備が必要ですし、特に女性の場合は衣装を選ぶだけでも何日もかかるケースが多いといえるでしょう。
披露宴を行う場合には、
- お料理の手配
- 会場の装飾を決める
- BGMの選曲
- 席次決め
- 引出物の準備
- プチギフトの用意
- 演出の準備
など、新郎新婦で決めなければならないことが多岐に渡ります。
結婚式か披露宴のどちらか一方にすることで準備の負担がかなり軽くなるため、気持ちも楽になるというメリットもあります。
ゲストの負担も少ない
結婚式だけ行う場合には、ご祝儀はいただかないことが一般的です。
事前に招待状に「ご祝儀はご遠慮させていただきます」と記載するため、ゲストへの金銭的負担が少なくなります。
ご祝儀をいただけないと自己負担が大きくなってしまう可能性があるため、あらかじめ承知しておきましょう。
「挙式だけ」「披露宴だけ」で行う場合のデメリット
華やかさが少ない
まず、結婚式と披露宴のどちらか一方だと、華やかさが少ないというデメリットがあげられます。
披露宴では、さまざまな演出を行って盛大にお祝いすることによって、華やかな印象を与えられますが、結婚式だけだと落ち着いた印象を与えるでしょう。
結婚式だけをあげたいけど、華やかにしたい、という方には人前式での挙式をおすすめします。人前式での結婚式は、自分で演出をすることが可能なので、豪華な結婚式にもできるでしょう。
ゲストからご祝儀がもらえない
前述のとおり、結婚式のみの場合はゲストからご祝儀をいただくことができません。すべての費用を自分たちで用意しなければならないため、費用面での負担が大きくなります。
結婚式のスタイルは多様化しているので、費用を抑えた演出も数多くあります。予算に合わせた演出を考えると良いでしょう。
プランによって、費用が割高になる可能性がある
結婚式と披露宴のセットプランを用意している場合が多いため、どちらか片方だと費用が割高になる可能性があります。結婚式のみを行った場合、招待できなかった人に後日改めて結婚報告を兼ねた食事会を行うことになると、準備の時間や費用の負担が増えてしまうこともありえます。
結婚式と披露宴のどちらか一方を行う場合には、きちんと費用面の相談をすることが大切です。
ゲストへの配慮が増える
結婚式のみにした場合、招待できる人数が限られるため、家族と近しい親戚のみで行うことになります。会社関係や親しい友人などには、結婚報告の席を別で設けるという配慮が必要です。
招待できなかったゲストへの結婚の報告をどのような方法で行うか、決めておいたほうが良いでしょう。
短時間になる
結婚式のみの場合、時間は約30分程度です。短時間で終わってしまうため、さみしい印象を与えてしまう可能性があります。年配の人を招待する場合は、あまり長時間になって負担をかけるよりは良いのですが、少し物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
そういった場合は、少人数で食事会を開くという手もあります。
ご希望の方は、ホテル椿山荘東京のウエディングプランナーにご相談ください。
挙式の形式については、以下のページでご紹介しています。
結婚式と披露宴はセットで行われることが多いのですが、どちらか一方だけ行っても問題はありません。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ふたりでしっかりと話し合って決めることが大切です。
結婚式も披露宴も多様化しており、形式にとらわれる必要はありません。ふたりらしいオリジナリティあふれる演出をすることも可能です。招待するゲストにも楽しんでもらえるよう、また思い出に残るようなものにしましょう。