親御様からの結婚式費用の援助―平均や注意点を知りたい

親御様からの結婚式費用の援助―平均や注意点を知りたい

【この記事でわかること】

  • 結婚式における親御様からの援助金の平均相場
  • 援助を切り出すベストなタイミングとマナー
  • 贈与税の非課税ルールと注意点(出典付き)
  • 「援助=口出し」にならないためのコミュニケーション術
  • 援助を断る際の角が立たない伝え方
  • 援助後の「使い道報告」でトラブルを防ぐ方法

結婚式の準備を進めていると、費用の大きさに改めて驚くおふたりも多いのではないでしょうか。「親御様に援助をお願いしたいけれど、どう切り出せばいいのか」と迷う方や、親御様からのお申し出に「申し出てもらったのに、断ってもよいのか」と悩む方など、お金にまつわる悩みは尽きないものです。

本記事では、援助金についての相場や切り出し方のマナー、税金面での正しい知識、さらには援助をお断りする際の言い回しまで、具体的にご案内します。

1.結婚式費用における親御様からの援助の実態

「親御様に結婚式の費用の援助をお願いするのは珍しいことなのでは」と感じるおふたりもいらっしゃるかもしれません。実は、援助を受けているおふたりが多数派です。結婚式にかかる費用は会場や演出、衣裳、料理など多岐にわたり、おふたりだけで全額をまかなうのは簡単なことではありません。親御様がどのような形で、どの程度の金額を援助しているのかを見ていきましょう。

7割以上のおふたりが親御様からの援助を受けている

ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏版によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用として親・親族から援助があったおふたりの割合は74.6%でした。結婚式費用について親や親族の援助を受けることは、珍しいことではありません。

一方で、援助の有無や受け止め方は年齢や家計状況、両家の考え方によって異なります。平均値だけで判断せず、おふたりと親御様の双方が無理のない形を探ることが大切です。

援助金の平均相場は両家合計で約180万円

同調査によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用として親・親族から援助があった人のうち、援助総額の平均は両家合計で179万8000円でした。

また、援助額の分布を見ると、首都圏では100万円以上200万円未満が33.3%で最も多い結果となりました。

援助の内訳 目安
両家合計の援助金額(平均) 約179万8000円
援助額で最も多い層 100万円以上200万円未満(33.3%)
援助を受けた割合 74.6%

参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏

援助の話が出るタイミングや金額は家庭によってまったく異なります。「親御様が申し出てくれるはず」と待ち続けるよりも、おふたりから適切なタイミングで切り出す準備もしておくと安心です。

2.援助を切り出すタイミングとマナー

親御様への援助のお願いは、適切なタイミングと誠実な姿勢があってこそ、気持ちよく進めることができます。切り出すタイミングや切り出し方によって、その後の関係性にも影響するため、慎重に進めましょう。結婚報告の場、両家の顔合わせ、見積もりが出たタイミングなど、話を切り出しやすい機会はいくつかあります。それぞれの場面に合わせた伝え方を知っておきましょう。

タイミング①:結婚の報告をする場

結婚の報告はおふたりにとって、親御様への最初の大切なご挨拶です。「結婚式はどうするの?」という流れで費用の話になることも考えられるため、親御様から自然に援助を申し出てもらいやすいタイミングでもあります。

この場では具体的に金額を出して相談するのではなく、「結婚式を挙げたいと考えているが、費用の目安がわかってきたらご相談させてください」という程度に留めるのが自然です。あくまでも今後の話し合いへの布石として、気持ちを伝える機会にしましょう。

タイミング②:両家の顔合わせ・食事会の席

顔合わせや食事会は、両家が揃ってお金の話がしやすい貴重な機会です。

このタイミングでのポイントは「両家が同じ条件で話し合える環境」をつくることです。援助額に両家で大きな差が生じると、その後の費用分担に影響することもあります。事前に「顔合わせの際に援助の話が出るかもしれないので、両家で足並みを揃えてもらえると助かる」等と、おふたりの親御様にそれぞれ伝えておくと、場の雰囲気がスムーズになるでしょう。

タイミング③:見積もりが出たタイミング

式場の見積もりが出た段階は、援助のお願いをする際に最も説得力が生まれるタイミングです。「おふたりで努力した結果、これだけの費用がかかる見通しです」という形で具体的な数字を見せることで、親御様も援助額の判断がしやすくなります。

見積もりを一緒に確認しながら「この部分を援助いただけると助かります」と、使い道を明確にして伝えることが、誠実なお願いの仕方です。

援助をお願いする際に心がけること

援助をお願いする際に大切なのは、「感謝の姿勢」と「誠実な説明」です。以下の点を意識しましょう。

  • おふたりでどれだけ準備したかをきちんと伝える
  • 援助を当然と思わない謙虚な姿勢を示す
  • 具体的にどこへいくら必要かを明確にして伝える
  • 電話やメールではなく、必ず直接会って話す
  • 無理のない範囲でお願いし、断られた場合は潔く受け入れる

特に「援助してもらうのが当たり前」という態度は禁物です。親御様がおふたりのために貯めてくれたお金であっても、それは親御様の大切な財産です。感謝と誠意をもってお願いすることが、その後の信頼関係を築く基本となります。

3.援助と贈与税の関係をきちんと理解する

親御様から大きな金額を受け取る場合、「贈与税はかかるのだろうか」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。結婚式費用への援助と税金の関係は、知っておくべき重要なポイントです。ここでは、贈与税の基本ルール、非課税とされる代表例、特別な非課税制度について、国税庁の公式情報をもとに解説します。

基本的な考え方:「結婚祝い」として社会通念上相当なら非課税

国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」(令和7年4月1日現在法令等)によると、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」は贈与税がかかりません。

そのため、結婚祝いとして渡される金品が社会通念上相当と認められる範囲であれば、贈与税がかからないケースがあります。ただし、親御様からの高額な現金援助まで一律に非課税と明記しているわけではありません。金額や渡し方、使途によって判断が分かれることがあるため、不安がある場合は所轄税務署や税理士に確認するのが安心です。

参考:国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」

高額な援助を受ける際に意識したい実務上のポイント

高額な援助を受ける場合は、あとで説明できる状態にしておくことが大切です。

  • 結婚式費用として何に充てたのかが分かるよう、請求書や領収書を保管する
  • 振込履歴や入出金の記録を残し、資金の流れを説明できるようにする
  • 結婚式費用と生活費・貯蓄を混在させないようにする
  • 判断に迷う金額や渡し方の場合は、事前に税務署や税理士へ確認する

親御様が結婚式場へ直接支払う方法や、費目ごとに精算内容を共有する方法は、資金の流れを整理しやすい進め方です。

年間110万円の基礎控除と暦年贈与

一般的な贈与税のルールとして、1年間に受け取った贈与の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません(暦年課税の基礎控除)。ただし、この110万円は結婚式費用の援助だけに使える特別枠ではなく、その年に受けたほかの贈与とも合算して判定されます。

参考:国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」

「結婚・子育て資金の一括贈与」の非課税制度について

さらに大きな援助を受けたい場合には、国の非課税制度を活用する方法もあります。

国税庁「No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」(令和7年4月1日現在法令等)によると、18歳以上50歳未満の方が父母・祖父母(直系尊属)から結婚・子育て資金として一括贈与を受ける場合、一定の要件を満たせば1,000万円まで非課税となる制度があります。なお、結婚関係で支払われるものは300万円が上限です。

この制度を利用するには、取扱金融機関と契約を結んで専用口座を開設し、費用の支払い時に領収書等を提出する手続きが必要です。また、前年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合は対象外です。制度の適用期限は令和9年(2027年)3月31日までとされているため、利用を検討する場合は早めに金融機関へ相談するとよいでしょう。

参考:国税庁「No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」
参考:こども家庭庁「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について」

4.「援助=口出し」にならないためのコミュニケーション術

親御様から援助を受けると、ありがたい反面、「式の内容に口出しされるのでは」という不安を感じるおふたりも少なくありません。しかし、事前のコミュニケーション次第で「援助は受けるが、決定権はおふたりにある」という健全な関係を築くことは十分に可能です。援助を受けながらも、おふたりらしいウエディングを実現するためのコミュニケーションの工夫をご紹介します。

最初からビジョンを共有する

「どんな結婚式にしたいか」をできるだけ早い段階で親御様と共有することが、後の行き違いを防ぐ最善策です。式のテーマ、ゲストの人数、会場のイメージなど、具体的なビジョンを伝えることで、親御様も「どこに費用がかかるか」を理解しやすくなり、自然と口出しが減っていきます。

逆に、何も伝えないまま援助を受けると、親御様が「どのように使われるのか気になって当然」という状態になり、関与が増えることもあります。積極的な情報共有が、おふたりの自由を守る近道です。

援助金と意思決定を切り離す

援助を受ける際に「おふたりで決定権をもつこと」を穏やかに伝えておくことも大切です。たとえば、「費用の援助は本当にありがたいのですが、式の内容についてはおふたりで決めさせていただきたいと思っています」という一言を添えることで、関係性を明確にしながら感謝を伝えることができます。

頭ごなしに「口出し禁止」とするのではなく、「意見は聞かせていただきますが、最終決定はおふたりで」というスタンスを丁寧に伝えることが、円満な関係づくりのコツです。

定期的に進捗を報告する

式の準備が進む中で、節目ごとに親御様へ進捗を報告する習慣をつけることも、余計な心配をかけないために有効です。「会場が決まりました」「衣裳選びが終わりました」など、短くても報告を続けることで、親御様は安心してお任せでき、おふたりも必要以上に干渉されることが減ります。

援助をしてくれた親御様にとって、式の準備への参加感や喜びを感じてもらうことは、感謝の表し方のひとつでもあります。

5.援助を断る場合の角が立たない伝え方

親御様からご好意で援助を申し出ていただいても、おふたりの考え方やライフプランによっては、お断りしたい場合もあるでしょう。大切なのは、親御様の気持ちを決して否定せず、感謝を丁寧に伝えたうえで、おふたりの意志をはっきりと示すことです。円満にお断りするための具体的な伝え方をご紹介します。

感謝を先に伝えてから断る

まずは親御様の気持ちに対する感謝をしっかりと伝えることが大切です。「そのような気持ちをもっていただけることが、何よりうれしいです」という言葉を先に届けてから、断る理由を説明しましょう。

お断りする際は、「おふたりで責任をもってやり遂げたい」「自分たちの力で準備することが、おふたりにとっての意味になっている」など、前向きな理由を伝えると、親御様も気持ちよく受け入れやすくなります。

断る際の言い回し例

  • 「お気持ちはとても嬉しいのですが、おふたりで準備させていただきたいと思っています」
  • 「お申し出いただき本当にありがとうございます。今回はおふたりの貯蓄でやり遂げたいと考えていますので、温かく見守っていただければ幸いです」
  • 「式の費用については大丈夫です。何かあれば改めてご相談させていただきますね」

断る際は曖昧にするよりも、はっきりとした言葉で伝える方が、かえって親御様の心配を和らげることができます。

「今後についてはまた相談させてください」と添える

お断りする際に「今回の結婚式費用は大丈夫ですが、今後また相談させていただくこともあるかもしれません」と一言添えることで、親御様の「力になりたい」という思いを受け止めながら、円満に辞退の気持ちを伝えられます。

6.援助後に大切な「使い道の共有」とトラブル回避

援助を受けた後、どのようにお金を使ったかを報告することも、親御様との関係を良好に保つ上でとても大切です。親御様は「おふたりの役に立てた」と実感できることで、援助してよかったと感じられます。報告を怠ると心配や不満につながることもあるため、感謝の気持ちとともに使い道を共有する習慣を持ちましょう。

使い道の報告は感謝とセットで

援助いただいた費用がどのように使われたかを、式後に報告することは礼儀のひとつです。「いただいた援助金は、会場費と衣裳代に充てさせていただきました。おかげさまで素敵な式を挙げることができました」という形で、感謝とともに使い道を伝えましょう。

報告することで親御様も「役に立てた」という満足感を得られ、おふたりとの信頼関係も深まります。

余ったお金の扱いは事前に確認を

援助金が予定より少ない費用で済んだ場合、余ったお金の扱いについて事前に確認しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。「余った分はどうするか」について、援助を受ける際にあらかじめ話し合っておくと安心です。

たとえば「余った分はふたりの新生活費として使わせていただく」と伝えておくか、返金が必要かどうかを確認しておきましょう。後から「用途を変えた」と思われないよう、透明性のある対応が大切です。

両家の援助額に差が生じた場合の対処法

一方の家からの援助が多く、もう一方が少ない、あるいはない、という場合も現実にはよくあります。両家の援助額に差が出た場合の費用分担については、事前におふたりでしっかり話し合い、「差額分はどちらが補う」「等分にする」など、一定のルールを決めておきましょう。両家が顔を合わせる場でお金の話になった際に対立が生じないよう、おふたりが橋渡し役となって調整することが大切です。

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