サステナブルウエディングとは?未来につながる結婚式の新しい選択肢

結婚式は、おふたりにとって大切な人生の節目です。これからの時代は“自分たちらしさ”だけでなく、“未来へのやさしさ”も意識したいものです。最近注目されている「サステナブルウエディング」は、環境や社会に配慮しながら特別な一日を形にする新しい結婚式の選択肢です。この記事では、サステナブルウエディングの具体的なアイデアやメリット、会場やアイテム選びのポイントまで、実践しやすい工夫を交えながら詳しく解説します。
【目次】
1.サステナブルウエディングの基本
2.衣裳とジュエリーにこだわる
3.食事とドリンクも地球にやさしく
4.装飾と花でできること
5.招待状やギフトにも配慮を
6.会場選びは“歴史と自然との調和”を基準に
7.心にも地球にも優しいサステナブルウエディングを
1.サステナブルウエディングの基本
近年、「サステナブルウエディング」という新しいスタイルの結婚式が注目されています。これは、地球環境や社会への配慮を大切にしながら、自分たちらしい大切な一日を実現する結婚式のことです。ここからは、このスタイルの基本的な考え方について分かりやすくご紹介いたします。
環境と人にやさしい結婚式とは?
サステナブルウエディングでは、結婚式の準備から当日まで「サステナビリティ」や「SDGs(持続可能な開発目標)」を意識して選択を重ねていきます。
例えば、使い捨てアイテムを減らしたり、再利用できるものや地元で採れた食材を選んだりするなど、地球環境への負担を軽くする工夫がポイントです。また、ダイヤモンドやギフト選びにも「エシカル(倫理的)」や「フェアトレード(公正な取引)」の視点を取り入れます。
サステナブルウエディングは、地球へのやさしさだけでなく、関わるすべての人にも配慮した、意味ある一日をつくる選択肢なのです。
注目される背景とメリット

「一生に一度の大切な日だから、本当に意味のあることを選びたい」という思いが、サステナブルウエディングを選ぶおふたりの動機になっています。
社会全体でSDGsや地球環境への関心が高まる中、結婚式にもその意識が反映されるようになりました。特にコロナ禍を経て、家族や友人との絆を大切にしたいという気持ちが強まり、「小規模で心のこもった結婚式」にも注目が集まっています。
このスタイルには、たくさんのメリットがあります。
たとえば地元食材を使えば輸送コストが抑えられたり、招待状のデジタル化で印刷や郵送のコストが下がったりと、費用面でも実感しやすい効果があります。
また、旬の食材や背景にストーリーのあるギフトはゲストの満足度向上にもつながり、おふたりらしいオリジナルな結婚式として記憶に残ります。
サステナブルな選択を積み重ねることで、「豪華さ」とは違った、本質的な価値と深い意味を持つ一日を作ることができます。
こうしたメリットを感じていただきながら、まずはできることから始めてみることをおすすめいたします。
2.衣裳とジュエリーにこだわる
サステナブルウエディングを実現するには、ドレスやアクセサリー選びも重要なポイントです。ここからは、環境や人に配慮した衣裳・ジュエリー選びについて、具体的な事例とともにご紹介いたします。
オーガニックやアップサイクルのドレス
近年、花嫁衣裳にもサステナブルな選択肢が増えています。例えば、麻やオーガニックコットンといった自然素材を使ったドレスは、化学肥料や農薬を使わずに栽培されており、環境にも生産者の健康にもやさしい素材です。
また、「アップサイクルドレス」も注目されています。
これは廃棄予定のウエディングドレスを解体し、使えるパーツを組み合わせて新しいデザインのドレスとして生まれ変わらせる方法です。ドレスのレンタルや、結婚式後のドレスをベビーグッズや小物にリメイクして長く使うアイデアも、サステナブルな選択です。こうした工夫で、資源を有効に使いながらおふたりらしいスタイルを実現できます。
エシカルなジュエリーを選ぶ
結婚指輪や婚約指輪も、サステナブルな選択ができます。
特に注目されているのが「エシカルダイヤモンド」や「フェアトレード認証」の素材です。エシカルダイヤモンドは、紛争や児童労働、環境破壊などに配慮した産地や流通を持つダイヤモンドです。
また、近年では「ラボグロウンダイヤモンド」も人気です。これは研究所で作られた人工ダイヤモンドで、天然と全く同じ輝きを持ちながら採掘による環境負荷がありません。
リサイクルゴールドやプラチナを使ったジュエリーや、家族から受け継いだ指輪をリフォームするおふたりも増えています。こうした選び方は、費用を抑えられるだけでなく、世代を超えた絆や思い出を大切にできます。
3.食事とドリンクも地球にやさしく
結婚式の料理やドリンクも、地球にやさしい工夫ができます。ここでは、サステナブルウエディングで実践されている食材選びやメニュー構成について紹介いたします。
地産地消・オーガニックな食材の活用
サステナブルウエディングでは、地元で採れた食材やオーガニック食材を積極的に取り入れています。
- 地産地消:旬の地元食材を使うことで、輸送にかかるエネルギーを減らしCO2削減に貢献します。また、地域経済を応援し、ゲストにも新鮮でおいしい料理を楽しんでもらえます
- オーガニック食材:化学肥料や農薬を使わないため、食べる人の健康や土壌の安全も守られます
- フェアトレード食材:コーヒーや紅茶、チョコレートなど、フェアトレード認証を受けた食材を選ぶことで、生産者への公正な取引も実現できます
- ヴィーガンやプラントベースメニュー:多様な食のスタイルに対応し、環境への配慮もできます
フードロスを意識したメニュー構成
結婚式での「フードロス削減」も大切な視点です。
ゲストの年齢層や人数に合わせて料理の量を調整したり、コース形式で一人ひとりに適量を提供する工夫が広がっています。
ビュッフェ形式は見た目が華やかですが、食べ残しが多くなることがあるため、適量を提供できるコース形式を選ぶ会場も増えています。
また、「規格外野菜」や通常は廃棄されがちな野菜の端材を活用するなど、食材を余さず使うこともフードロス削減に効果的です。
余った食材をフードバンクに寄付する動きも広がっており、資源を大切にしながらゲストにも心から満足してもらえる一日を目指せます。
フードロス削減の主な工夫まとめ
カテゴリ | 具体的な取り組み例 |
メニュー計画 | ゲストに合わせた適量を設定 |
食材調達 | 規格外野菜の活用、地元産食材の選択 |
サービス提供 | コース料理中心、持ち帰り用容器の導入 |
アフター対応 | フードバンクへの寄付 |
4.装飾やお花でできること
華やかな結婚式の雰囲気を演出しつつ、環境に配慮する方法もたくさんあります。ここでは装花や会場装飾でできるサステナブルな工夫をご紹介いたします。
ドライフラワーや観葉植物で彩る
生花の代わりに「ドライフラワー」を使えば、長く美しさが保たれ、式後はインテリアや思い出の品としても残せます。パンパスグラスやラベンダーなど、ドライならではの風合いが魅力です。
また、「鉢植え」やハーブなどの観葉植物を会場装飾に使うことで、グリーンあふれる空間を演出できます。
鉢植えは式の後、ゲストにギフトとして渡したり、新居のインテリアとして再利用したりすることも可能です。
生花を使う場合も、旬の花を地元の花屋さんで選ぶと輸送コストの削減にもつながります。
リユース・レンタルで無駄を削減

ウエルカムボードやフォトブースのアイテム、テーブルクロスや装花用の花器など、結婚式で一度しか使わないものはレンタルを積極的に活用することで、廃棄物削減とコスト削減を両立できます。
また、後からインテリアとして活用できるデザインのウエルカムボードや、長く使える素材のプチギフトを選ぶこともおすすめです。
席札も、レザーや木、アクリルなど長持ちする素材でつくると、記念品として役立ちます。
さらに、先輩花嫁からアイテムを「お譲り」でもらう・譲る文化も広がっており、アイテムの寿命を伸ばす取り組みが進んでいます。
会場そのものの美しさや設備を活かせば、追加装飾を減らして無駄を抑えられます。
アイテム選びは「式後の使い道」も意識して進めてみてはいかがでしょうか。
5.招待状やギフトにも配慮を
結婚式全体の印象は、招待状やギフトなど細部への配慮によって大きく変わります。ここでは、サステナブルな視点から選ぶ招待状とゲストギフトについてご紹介いたします。
ペーパーレスでスマートに
招待状や席次表などのペーパーアイテムをデジタル化することで、紙資源の節約やCO2排出削減に貢献できます。
ウェブ招待状やオンライン出欠確認システムを利用すれば、印刷や郵送のコストも削減できて、スマートフォンから気軽に出欠を連絡できます。
席次表は会場でQRコードを読み取る方法もあり、配布物を減らすことも可能です。
一方で、年配の方や伝統を重視する場合は、再生紙や「FSC認証紙」を使ったペーパーアイテムがおすすめです。
FSC認証紙やバナナペーパーなど、環境にやさしい紙を選ぶことで、結婚式の雰囲気に合わせてエコ意識を取り入れられます。
ゲストギフトはフェアトレードや無添加で
ゲストギフトもサステナブルな観点で選んでみませんか。
フェアトレードチョコレートやコーヒー、紅茶、手作りの工芸品などは、生産者の労働や地球環境に配慮された商品です。
ギフトのタイプ | 例・特徴 |
フェアトレード食品 | チョコレート・コーヒー・紅茶など |
エコバッグ・雑貨 | オーガニックコットンやリサイクル素材のエコバッグ |
無添加・オーガニック菓子 | 無添加クッキー、オーガニックティー、蜂蜜、地元の焼き菓子 |
地元工芸品 | 地域の職人による手作り品や特産品 |
また、物理的なギフトの代わりに、ゲストの名前で慈善団体に寄付する「寄付ギフト」も注目されています。
贈る相手や結婚式のテーマに合わせて、実用性や背景のストーリーを大切にしたギフトを選んでみてください。
6.会場選びは“歴史と自然との調和”を基準に

サステナブルウエディングの実現には、会場選びも大切です。ここでは、歴史や自然とのつながりを感じる会場の選び方について解説いたします。
建物の歴史や地域とのつながりも意識
歴史的な建造物や地域に根差した会場を選ぶことで、結婚式に特別な意味や深みが生まれます。
例えば、古い洋館や再利用された建物は、独自の雰囲気や温かみがあり、ゲストの記憶にも強く残ります。
こうした会場は結婚式後も記念日などで訪れやすく、おふたりにとって大切な場所になります。
また、既存の建物を活用することは新たな資源消費を抑え、環境負荷の軽減にもつながります。
装飾を最小限に抑えても十分な魅力があり、コストや廃棄物も削減できます。
設備面や収容人数には注意が必要ですが、事前確認をしっかり行うことで、理想の結婚式が叶えられるでしょう。
庭園や自然の景観を楽しめる会場を選ぶ
自然を感じられる会場は、サステナブルウエディングにぴったりです。
美しい庭園や緑、海や山が見える会場は、それだけで装飾にもなり、人工的な演出を減らせます。
四季折々の風景や自然光を活かした写真は、心にも残る素敵な思い出になるでしょう。
また、季節の花を飾ったりすれば、ナチュラルで豊かなもてなしができます。
自然との一体感が生まれ、リラックスした雰囲気のなかで特別な一日を過ごせます。
7.心にも地球にも優しいサステナブルウエディングを
サステナブルウエディングは、環境や社会にやさしい選択を重ねることで、未来に残る特別な思い出をつくることができます。
難しいことをしなくても、できることから少しずつ始めることが大切です。
例えば、地元食材を選ぶ、ペーパーアイテムを一部デジタル化する、長く使えるギフトを用意するなど、小さな工夫の積み重ねが大きな意味を持つ結婚式につながります。
おふたりの価値観を見つめ直し、それを形にしていく準備期間も、かけがえのない経験になるでしょう。
心にも地球にも優しい選択を重ねて、ぜひ、未来に語り継がれる一日をつくりあげてください。