人前式の立会人とは?役割や頼み方を解説

人前式では、立会人が新郎新婦の誓いを見届ける役割を担います。誰に依頼するか、どんな準備が必要かを事前に確認しておくことで、式の進行がスムーズになります。また、立会人との信頼関係を深めておくことで、より心に残る挙式になるでしょう。
本記事では、立会人の選び方や準備のポイントについて解説します。大切な方と一緒に作る結婚式だからこそ、事前の準備を整えて、思い出に残る時間を過ごしましょう。
1.人前式における立会人とは
人前式は、宗教的な儀式を行わず、参列者全員が新郎新婦の結婚の証人となる挙式スタイルです。ゲストの前で誓いを交わし、結婚の承認を得ることで、一体感が生まれます。形式にとらわれず、新郎新婦らしい雰囲気で挙式を行えるのも特徴です。その中で立会人は、新郎新婦の誓いの証人として重要な役割を担います。
立会人は、新郎新婦それぞれが1名ずつ選ぶのが一般的です。信頼関係が深い兄弟姉妹や親友、親族が選ばれることが多く、結婚式で多くのゲストが見守る中、落ち着いて振る舞える方が適しています。新郎新婦の誓いを見届け、式をより感動的なものにする存在として、慎重に選びましょう。
選ばれた立会人は、誓いの言葉の証人となるほか、結婚証明書への署名や誓いの問いかけを任されることがあります。式の流れを整え、新郎新婦とゲストが一体となる雰囲気を作るのも大切な役割です。また、進行のサポートを担う場面もあり、事前に役割を確認し、式の流れを共有しておくと安心です。
人前式は自由度が高く、新郎新婦の希望に応じて立会人の関わり方を調整できます。しっかり準備を進め、大切な方と特別な時間を作りましょう。
2.立会人に頼むこと
人前式では、立会人を誰にお願いするかが重要なポイントです。結婚証明書への署名や誓いの言葉の問いかけ、スピーチなどを任せることが多いため、役割を事前に伝え、準備を進めておくことが大切です。
証人としての役割
立会人には、結婚証明書への署名をお願いすることが一般的です。新郎新婦の誓いを証明する役割を担うため、事前にサインのタイミングや流れを伝えておくことが大切です。
結婚証明書のスタイルは自由で、木製ボードやキャンバスにサインする演出を取り入れることもできます。ゲスト全員が参加できる結婚証明ボードを用いる場合、立会人が進行をサポートすると、より円滑に進められるでしょう。
誓いの言葉の問いかけ
人前式では、誓いの言葉を立会人に問いかけてもらうことができます。問いかけの内容は、新郎新婦の希望に応じて調整でき、フォーマルなものからカジュアルな表現まで自由にアレンジできるのも嬉しいポイントです。おふたりらしい言葉を選ぶことで、より特別な誓いの時間になります。
スピーチと式の進行サポート
立会人には、スピーチをお願いすることができます。式の始まりや結びで祝福の言葉を伝えてもらうことで、ゲストとともに温かい雰囲気を作ることができます。スピーチの内容や時間を事前に相談し、負担にならないよう配慮すると良いでしょう。
式の進行をスムーズにするため、新郎新婦のエスコートや流れのサポートを任せることもあります。あらかじめ動きを確認し、立会人と役割を共有しておくことが大切です。立会人は、新郎新婦とゲストをつなぐ大切な存在です。役割をしっかり伝え、準備を整えることで、より心に残る式を作ることができます。
3.人前式の立会人の服装とマナー
立会人は、新郎新婦の近くで誓いの証人を務めるため、服装やマナーにも気を配る必要があります。依頼する際は、式の雰囲気に合った装いを伝え、事前に準備を進めてもらうと安心です。ここでは、立会人の服装やマナーのポイントを紹介します。
立会人に適した服装とは
立会人には、式全体の雰囲気に合わせたフォーマルな服装をお願いすると良いでしょう。派手すぎる色やデザインは避け、新郎新婦を引き立てる上品な装いが理想です。会場やドレスコードに応じて適した服装を事前に伝えておくことで、立会人も準備しやすくなります。
人前式は自由度が高いですが、基本的にはフォーマルな服装が求められます。ガーデンウエディングなどではややカジュアルな装いも許容されることがありますが、格式のある会場では落ち着いた服装が適しています。どのような服装を求めるかを明確に伝えておきましょう。
男性にふさわしい服装
男性の立会人には、ブラックやネイビー、ダークグレーなどの落ち着いた色のスーツを勧めると良いでしょう。ブラックスーツは特にフォーマルな印象があり、格式のある式場に適しています。ネクタイは白やシルバーを基調にすると上品な印象です。
靴は黒の革靴が基本です。事前に手入れをしてもらうよう伝えておくと、当日も整った印象になります。ポケットチーフやベストを加えると、より洗練された装いになります。カジュアルな人前式では、明るめのスーツや柄物のネクタイを選ぶことも可能ですが、新郎より目立たないよう配慮することが大切です。
■男性の服装の要点
- スーツ:ブラック、ネイビー、ダークグレーなどの落ち着いた色が適切
- ネクタイ:白やシルバーがフォーマルな印象を与える
- 靴:黒の革靴を基本とし、事前に手入れをしておく
- アクセント:ポケットチーフやベストを加えると洗練された印象に
- カジュアルな式場の場合:明るめのスーツや柄物のネクタイも可。ただし、新郎より目立たないように配慮する
女性にふさわしい服装
女性の立会人には、上品なワンピースやセットアップ、訪問着などのフォーマルな装いが適しています。露出を控え、肩が出るデザインのドレスを着る場合はボレロやショールを羽織ることで、落ち着いた印象を保てます。ドレスの色選びも重要で、新婦のウエディングドレスと重ならないよう、白やアイボリーは避けるのがマナーです。
派手すぎる色や光沢の強い素材は控えめにし、落ち着いたトーンのブルーやグレー、パステルカラーなどを選ぶと上品な印象になります。靴はヒールのあるパンプスが基本で、つま先が隠れるデザインが望ましいです。カジュアルすぎるシューズは避け、フォーマルな場にふさわしい装いを意識してもらいましょう。
和装を希望する場合、未婚の女性には振袖、既婚の女性には訪問着が適しています。格式のある式では、和装が立会人にふさわしい印象を与えることもあります。どのような服装が望ましいかを事前に伝えておくと、立会人も準備しやすくなります。
■女性の服装の要点
- 服装:ワンピース、セットアップ、訪問着などフォーマルな装い
- 露出対策:肩が出るドレスはボレロやショールを羽織る
- 色選び:新婦のウエディングドレスと被らないよう、白やアイボリーは避ける
- 適した色:派手すぎないブルー、グレー、パステルカラーなど上品な色味
- 靴:ヒールのあるパンプスが基本で、つま先が隠れるデザインが望ましい
- 和装:未婚女性は振袖、既婚女性は訪問着が適している
小物やアクセサリーの配慮
服装だけでなく、小物やアクセサリーの選び方も大切です。派手なジュエリーや目立ちすぎる装飾は避け、上品な印象を与えるものを選んでもらうと良いでしょう。パールのネックレスや小ぶりのピアス・イヤリングは、フォーマルな場に適したアイテムです。
バッグは、小ぶりでシンプルなデザインのものを勧めると、統一感が出ます。結婚式用のクラッチバッグやショルダーバッグであれば、フォーマルな雰囲気を保てます。ブランドロゴが目立つものやカジュアルすぎるデザインは避けてもらうよう伝えましょう。
靴やバッグの色や素材は、服装全体と調和するように伝えておくと、コーディネートがまとまりやすくなります。ドレスやスーツの色に合わせた落ち着いたトーンを選んでもらいましょう。また、光沢感のある生地やレースを取り入れると、程良い華やかさも演出できます。
立会人に事前に伝えておきたいマナー
服装だけでなく、立会人の振る舞いにも配慮が必要です。挙式中は落ち着いた態度を心がけてもらい、進行の妨げにならないよう注意をお願いしましょう。特に、新郎新婦の誓いの場面では、立会人の姿勢や表情がゲストの目に入るため、誠実な態度で臨んでもらうことが大切です。
また、式の流れを事前に伝え、必要に応じて司会者や新郎新婦と打合せをしてもらうと安心です。結婚証明書への署名や誓いの言葉の問いかけなど、具体的な役割がある場合は、リハーサルで確認する機会を設けると本番をスムーズに進行できます。
4.立会人を依頼する際の注意点
人前式の立会人は、新郎新婦の誓いを見届け、式を円滑に進める役割を担います。依頼する際には、具体的な役割を明確に伝え、スムーズに進行できるよう準備を整えることが大切です。ここでは、立会人を依頼する際のポイントを紹介します。
事前に明確な説明を
立会人を依頼する際は、担当する役割を明確に伝え、当日の流れを理解してもらうことが重要です。結婚証明書への署名や挨拶の有無、式中の立ち位置など、具体的な内容を事前に共有し、立会人が落ち着いて役割を果たせるようにしましょう。
式の進行をスムーズにするために、タイムスケジュールを伝えておくと安心です。例えば、どのタイミングで移動するのか、ゲストにどう対応するのかなど、細かい点まで整理しておくと良いでしょう。疑問や不安を感じたときにすぐ相談できるようにしておくこともポイントです。
曖昧なまま依頼すると、当日に戸惑う可能性があるため、細部まで丁寧に説明することを心がけましょう。事前に立会人と十分に話し合い、疑問を解消しておくことで、当日も安心して役割を担ってもらえます。
リハーサルをしっかりと行う
人前式では、新郎新婦だけでなく立会人の動きも式の進行に影響します。役割をしっかり把握してもらうためにも、事前にリハーサルを行い、式の流れを確認しておくことが大切です。特に、指輪交換や結婚証明書の署名のタイミングを実際に練習することで、本番でも落ち着いて行動できます。
リハーサルを通じて、立ち位置や動作を確認し、疑問点があればその場で解決できるようにしておきましょう。また、服装や持ち物もチェックしておくと、当日慌てることなく準備ができます。事前にしっかり打ち合わせを行うことで、立会人も自信を持って役割を果たせるようになり、新郎新婦にとっても安心材料となります。足を運んでくれるゲストに不安を与えないようにすることが大切です。
5.立会人へのお礼のしかた
人前式で立会人を務めてもらった方には、感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。お礼の品を贈ったり、手紙を添えたりすることで、感謝の気持ちを形にできます。
お礼の品を用意する
立会人へのお礼の品は、3,000円から5,000円程度を目安に選ぶと良いでしょう。日用品やお菓子など、気軽に使えるものが喜ばれやすいですが、記念になるアイテムを選ぶのもおすすめです。特別感を出したい場合は、名入れギフトやオリジナルアイテムを選ぶと、より思い出に残る贈り物になります。
また、立会人の好みに合わせた品を選ぶことも大切です。例えば、コーヒーが好きな方には高品質なコーヒー豆や専用タンブラー、美容に関心がある方にはスキンケア用品やアロマグッズを贈ると、より喜ばれます。相手のライフスタイルを考慮し、実用的で長く使えるものを選ぶと良いでしょう。
手紙を添える
お礼の品とともに、手紙を添えることで、感謝の気持ちがより伝わります。手紙には、立会人を引き受けてくれたことへのお礼や、結婚式をともに作り上げてくれたことへの感謝の言葉を込めると良いでしょう。形式ばった文章ではなく、気持ちを込めたメッセージを書くことで、より温かみのあるお礼になります。
手紙を書く際は、できるだけ手書きにすると、より気持ちが伝わりやすくなります。「○○さんのおかげで素敵な式になりました」「サポートしていただき、とても心強かったです」といった具体的なエピソードを交えると、より印象に残るでしょう。
お礼の品と手紙をセットにして渡すことで、立会人への感謝をしっかり伝えられます。気持ちのこもったお礼は、今後の関係をより深めるきっかけにもなるでしょう。
6.人前式の成功に向けてしっかりと準備を
人前式は、形式にとらわれず新郎新婦らしい誓いを交わせる挙式スタイルです。その成功には、立会人の役割が重要になります。立会人は、新郎新婦の誓いの証人として式の感動を引き立てる存在。信頼関係を築き、当日スムーズに進行できるよう、事前の打ち合わせや準備を整えておくことが大切です。自由なスタイルだからこそ、細かな部分まで計画して立会人と連携を深めることで、より記憶に残る挙式となるでしょう。
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