事実婚とは?法律婚との違いや事実婚のメリット・デメリットについて解説

事実婚とは?法律婚との違いや事実婚のメリット・デメリットについて解説

結婚を考えてはいるものの、おふたりにとって「最適な結婚の形は何だろう」と、法律婚と事実婚でお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。近年は結婚の形が多様化していることから、事実婚が増加している傾向にあります。事実婚は、従来の考え方に縛られない自由度が高いイメージがある一方で、法的な結婚とは異なる点も多いため、事実婚について理解を深めたうえで判断することが大切です。

そこで今回は、事実婚の基礎知識や事実婚を選んだ方たちの実態、事実婚のメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。おふたりにとって最適な結婚の形を選べるよう、ぜひ参考にしてください。

1.事実婚とは婚姻手続きをせず、夫婦と同等の関係を持った結婚の形

事実婚とは、法的に入籍をせずに夫婦と同等の関係を持った状態で共同生活を送ることを指します。法律婚では、婚姻届を役所に提出(=入籍)することによって民法上でも戸籍法上でも正式な婚姻関係として認められます。しかしその一方で、事実婚では婚姻届を役所に提出しないため、法律上では夫婦ではありません。事実婚では、住民票においては続柄を「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されます。

一見結婚していない男女が一緒に暮らす同棲と似ているため、「同棲とは何が違うのだろう?」と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。事実婚は、同棲との共通点である「共同生活を送っている」ということだけではなく、お互いが婚姻の意思を持っており、周囲からも「夫婦である」と認められている点が大きな特徴です。

事実婚として認められる条件として、以下の4つが挙げられます。

  • 住民票が同じ住所にある
  • 生活費などの生計を共にするなど、共同生活を送っている
  • お互いが「夫婦である」と認識している
  • 周囲からなど、社会的にも「夫婦である」と認められている

上記の条件を踏まえると、事実婚は内縁と同等の意味を表すことがわかります。
近年は、夫婦別姓を希望するために事実婚を選択するおふたりが増加しています。その他にも同性同士の方や、国際結婚をしたけれど相手の国の法律などの問題で婚姻が成立していない方も事実婚として見なされています。

2.事実婚を選択している人は、成人人口の2~3%

近年は結婚の形式の多様化により、昔に比べると法律婚と事実婚を自由に選択できるようになっていますが、実際にはどのくらいの割合の夫婦が事実婚を選んでいるのでしょうか。事実婚の増加をメディアなどで目にする機会があっても、具体的な数値についてはわからないという方も多いでしょう。ここでは、事実婚を選んだ夫婦の割合や、事実婚を選んだ理由について紹介します。

事実婚の割合

事実婚を選択している方の割合は、成人人口の2~3%を占めています。この数値は、内閣府が令和3年度に実施した各種意識調査の結果から推察できます。

まず、内閣府男女共同参画局の「令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書」によると、調査に回答した方のうち、「配偶者(事実婚・内縁)がいる」と回答した方は2.3%を占めています。「令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」では、調査に回答した方のうち、「事実婚」と回答した方は2.9%、「パートナーと暮らしている」と回答した方は1.1%という結果となりました。

内閣府大臣官房政府広報室による「令和3年度 家族の法制に関する世論調査」における「あなたは現在、結婚していますか」という質問に対して、「結婚していないが、パートナーと暮らしている」と回答した方は2.5%を占めていると発表されています。

参考:
内閣府男女共同参画局|令和3年度 人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査報告書
内閣府男女共同参画局|令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究
内閣府大臣官房政府公報室|令和3年度 家族の法制に関する世論調査

事実婚を選んだ理由

実際に事実婚を選択した方たちは、どのような理由があって事実婚を選んだのでしょうか。内閣府男女共同参画局の「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」が発表した資料である「日本社会における事実婚の実態」によると、以下の理由が挙げられます。

・夫婦別姓を通すため(女性89.3%/男性64.0%)夫婦別姓を通すため(女性89.3%/男性64.0%)

・戸籍制度に反対(女性86.8%/男性70.7%)戸籍制度に反対(女性86.8%/男性70.7%)

・性関係はプライベートなことなので、国に届ける必要を感じない(女性70.8%/男性59.7%)性関係はプライベートなことなので、国に届ける必要を感じない(女性70.8%/男性59.7%)

・夫は仕事、妻は家事という性別役割分業から解放されやすい(女性62.1%/男性36.7%)夫は仕事、妻は家事という性別役割分業から解放されやすい(女性62.1%/男性36.7%)

・相手の非婚の生き方の尊重(女性26.0%/男性63.3%)相手の非婚の生き方の尊重(女性26.0%/男性63.3%)

※上記は、女性319人、男性300人に行った複数回答可の調査結果です。

「夫婦別姓を通すため」が最も多く、女性では9割近くを占めています。内閣府男女共同参画局の夫婦の姓(名字・氏)に関するデータによると、令和4年の時点で結婚して姓を変える方は、女性が圧倒的に多く、全体の約95%を占めると発表されています。このようなことからも、夫婦別姓を選択したいと考えて事実婚を選ぶ方が多いことが見受けられます。

また、ゼクシィが行った「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」における「結婚式やコミュニティに対する考え方」によると、「常識にとらわれず様々な考えが認められるべき」という問いに対して9割以上が「非常にそう思う・そう思う・ややそう思う」と回答していることがわかります。近年は<strong>多様性が重要視されているため、事実婚を選ぶ方が増えている</strong>といえるでしょう。

参考:
内閣府男女共同参画局「人生100 年時代の結婚と家族に関する研究会」|日本社会における事実婚の実態
ゼクシィ|「ゼクシィ結婚トレンド調査 2023」
内閣府男女共同参加局|「夫婦の姓(名字・氏)に関するデータ」

3.法律婚・事実婚の法的な違い6つ

法律婚・事実婚の法的な違い6つ

法律婚とは、婚姻届を戸籍法の定めに従って市区町村の役場に提出するなど、法律上要求される手続きを踏んだ戸籍上の夫婦である婚姻を指します。事実婚と法律婚の大きな違いは、「婚姻届を出しているかどうか」ということですが、法律婚と事実婚における法的な違いとして以下の6つが挙げられます。

  • 戸籍の変更
  • 住民票の記載
  • 配偶者の相続権
  • 子どもの認知
  • 社会保険 (健康保険の扶養家族)
  • 所得税の配偶者控除

1つずつ見ていきましょう。

戸籍の変更

法律婚の場合はどちらかがパートナーの戸籍に入る必要があります。事実婚においては、パートナーの戸籍に入る必要がないため、戸籍上の変更はありません。お互いが一人っ子で姓を継がなければならない、という場合の解決策にもなり得ます。
また、戸籍上の変更がないため、別れた場合でも「離婚した」という履歴が残らない点も違いとして挙げられます。

住民票の記載

法律婚では、住民票の続柄には世帯主には「世帯主」、世帯主ではない欄に「夫/妻」と記載されます。その一方で事実婚の住民票の続柄には「世帯主」と「夫(未届)/妻(未届)」 と記載されます。(※重婚でないなど、婚姻要件の確認をした上で記載)
上記は「婚姻の意思はあるけれど、婚姻届を出していない」という状態を表し、事実婚の手続きが完了している場合の記載です。事実婚は法律的に証明することができないため、住民票の記載が重要なポイントとなります。

配偶者の相続権

法律婚では、残された配偶者は自動的に法定相続人となり、子どもがいる場合は遺産の2分の1を相続します。事実婚では配偶者の相続権はなく、財産を承継させたい場合は、贈与や遺言をする必要があります。
また、多額の遺産を相続すると不利になってしまいます。事実婚では法定相続人ではないため、課税対象額が増えるだけでなく、法的な配偶者や1親等の人でない場合は税額が2割増になります。

子どもの認知

法律婚の場合、子どもが生まれたら親権は夫婦共同親権となり、両親の戸籍に加わります。しかし、事実婚の場合は法律上婚姻関係がない男女の子どもとなるため、単独親権になり、手続きなどを行わない場合は子どもの親権は母親となります。そのため、父親が親権を得るためには母親の単独親権から父親の単独親権に変更する手続きが必要です。
また、子どもの戸籍においては母親の戸籍に子どもが入籍する形式となり、母親の姓になります。父親が認知することによって、子どもの戸籍の父の欄に父親の氏名が入り、父親の戸籍にも子どもを認知したことが記載され、法律上の父子関係が生じます。

社会保険(健康保険の扶養家族)

社会保険(健康保険の扶養家族)においては、法律婚だけでなく事実婚の場合でも認められています。その際には、事実婚の証明を求められ、前項の「住民票の記載」が重要になります。住民票の届出の手続きをしておくことによって、スムーズに健康保険の扶養家族の手続きが可能です。
また、社会保険とは異なりますが、携帯電話各社の「家族割」などのサービスを受けることもできます。

所得税の配偶者控除

法律婚では、配偶者を養っている場合に所得税が安くなる「配偶者控除」や「配偶者特別控除」が受けられますが、事実婚では受けられない点も違いの1つです。事実婚では、パートナーが法的な「配偶者」でないためです。
「配偶者控除」は、配偶者の年間所得が48万円以内(納税者本人の年間の合計所得金額が900万円以下の場合)、「配偶者特別控除」は、配偶者の所得が48万円以上でも、133万円以内であれば金額に応じて受けられます。
事実婚ではこのような税制上の優遇は受けられませんが、共働きの場合は大きな違いは感じないといえるでしょう。

法律婚と事実婚において法的な違いはあるものの、事実婚でも思い出として結婚式を挙げることができます。ホテル椿山荘東京であれば、チャペルウエディングや神前挙式はもとより、少人数結婚式やレストランウエディングなどの挙式スタイルにも対応しております。フォトウエディングにふさわしいロケーションや、ご両家のお顔合わせにもご利用いただけるレストラン・料亭もご用意しています。

法律婚と事実婚の法律的な違い

法律婚 事実婚
戸籍の変更 どちらかに決める 自由に決められる
住民票の記載 夫/妻 夫(未届)/妻(未届)
※重婚でない等、婚姻要件の確認をした上で記載
配偶者の相続権 あり なし
子どもの認知 夫婦共同親権 単独親権(原則母親)
社会保険
(健康保険の扶養家族)
認められている 認められている
所得税の配偶者控除 あり なし

4.事実婚3つのメリット

事実婚3つのメリット

前項では、法律婚と事実婚の法的な違いについて解説しました。事実婚には法律関係以外でもメリットがあります。

  • メリット1.姓を変更しなくて良い
  • メリット2.家柄、嫁などの風習からの自由
  • メリット3.関係を解消しても戸籍に残らない

上記3点のメリットについて、詳しくご紹介します。

メリット1.姓を変更しなくて良い

「事実婚を選んだ理由」の項目でも触れましたが、事実婚を選択している方たちの多くが夫婦別姓を理由として挙げています。日本で法律婚をした際には、夫婦同姓が義務付けられているため、どちらかがパートナーの姓へと変更する必要があります。そのため、入籍をしたらどちらかが銀行口座や運転免許証、パスポートなどのさまざまな名義を変更しなければなりません。その一方で事実婚では姓を変更しなくて良いため、手間がなくなります。
また、職場に結婚を知らせる必要もなく、仕事で旧姓を名乗り続けることを目的に事実婚を選択するケースもあります。法的に姓を変更した後でも職場では通称として旧姓を名乗ることは可能ですが、職場によっては通称を名乗ることが難しいこともあり得るためです。
面倒な手続きを省けたり、今後のキャリアを考慮したりというだけでなく、自身の姓に愛着があるという方にも事実婚は適しています。

メリット2.家柄、嫁などの風習からの自由

夫の戸籍に入ったことによって妻が「一族の嫁」という扱いにされたり、親戚付き合いや介護などの負担を求められたり、というようないわゆる「昔ながらの考え」にとらわれることもあります。家柄や地域の風習、家族や親戚の関係性によっては、法律婚では夫婦が対等な関係性を築けなくなることも起こり得るでしょう。
法律婚の場合は、入籍をすればパートナーの親や兄弟、親族と姻族関係になり、親戚付き合いが求められることがほとんどです。しかし、事実婚では戸籍上は他人となるため、親戚付き合いから距離を置ける点もメリットとして挙げられます。

メリット3.関係を解消しても戸籍に残らない

法律婚で夫婦が離婚をする場合は、離婚届を提出する必要があります。昔は離婚することで戸籍に大きな「×」がついたことにより、「バツイチ」という言葉が生まれました。現在では「×」はつかないものの、「離婚」が推測される記載は残ります。
事実婚の場合はそもそも法的な手続きを行なっていないため、万が一おふたりの婚姻関係が終わってしまっても戸籍に記録が残りません。

5.事実婚2つのデメリット

事実婚で得られるメリットはありますが、同時にデメリットも生じます。事実婚を迷っているのであれば、デメリットも理解したうえで判断することが重要です。事実婚のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。

  • デメリット1.法的な制度が受けられない
  • デメリット2.立場が不安定

上記2点のデメリットについて、詳しく解説します。

デメリット1.法的な制度が受けられない

「法律婚・事実婚の法的な違い6つ」の項目でも解説しましたが、事実婚では配偶者控除などの税金控除が適用されなかったり、遺言状がないと相続人になれなかったりと、法的な制度が受けられません。
特に、相続権がないことは大きなデメリットだといえます。長い間夫婦として生活していても相続権はなく、仮に遺言書を作成してパートナーに財産を残したとしても、亡くなった側に家族がいる場合は、遺言書の内容によっては相続争いに発展することも起こり得ます。

デメリット2.立場が不安定

夫婦関係の証明が難しいため、立場が不安定になりがちなこともデメリットとして挙げられます。夫婦であることの証明が必要になるたびに、住民票をとりに行かなければなりません。
例えば、パートナーにもしものことがあって緊急入院が必要になった場合、住民票がなければ医師からの説明が聞けなかったり、手術同意書へのサインや面会ができなかったり、万が一のときに遺体を引き取れなかったりなど、不都合が生じる可能性があるため注意が必要です。

事実婚のメリット 事実婚のデメリット
姓を変更しなくて良い 法的な制度が受けられない
家柄、嫁などの風習からの自由 立場が不安定
関係を解消しても戸籍に残らない

6.事実婚を選ぶなら遺言状の作成をすること

法的な制度を受けられないからこそ、事実婚をする場合はパートナーに万が一のことがあった際を考慮して、結婚した段階で遺言状や委任状の作成について話し合っておくことが大切です。

前述のとおり、法律婚ではパートナーが亡くなった場合は自動的に法定相続人となりますが、事実婚では遺言状がない限り財産を相続することは困難です。財産に関する遺言状だけでなく、公正証書を作成することができます。

公正証書とは「法律の専門家である公証人によって作成された証書」を指し、契約や遺言を公正証書にすることにより証明力が高まるというメリットがあります。公正証書は、事実婚を選ぶ方たちにとって必ずしも必要ではありません。しかし、万が一の際に本人の意識がなくパートナーとして医療上の判断が求められる際や、住宅ローンを組んだり、不動産名義を共有にしたりするとき、死亡保険の受取人指定の際などにスムーズに手続きを進めることができるため作成することをおすすめします。

近年は、多様性を重要視することから、結婚の形も多様化しています。婚姻届を提出せずに、夫婦として共同生活を送る事実婚を選択する方も増加しており、その理由はさまざまですが、夫婦別姓を希望することや戸籍制度への反対などが主な理由として挙げられます。

事実婚には、姓の変更が必要ない点や家柄や嫁などの風習から解放されるため自由度が高い点、関係を解消しても戸籍に残らないといったメリットがある一方で、法的な制度が受けられなかったり立場が不安定になりがちだったりというデメリットも生じます。

事実婚を選択する際には、住民票の届出や公正証書、遺言状の作成を行い、パートナーに万が一のことがあった場合に備えることが大切です。

事実婚はあくまで選択のひとつであるため、おふたりにとって1番良い方法を選びましょう。

事実婚を検討している方も、思い出に結婚式をあげてはいかがでしょうか?ホテル椿山荘東京であれば、チャペルウエディングや神前挙式はもとより、少人数結婚式やレストランウエディングなどの挙式スタイルにも対応しております。フォトウエディングにふさわしいロケーションや、ご両家のお顔合わせにもご利用いただけるレストラン・料亭もご用意しています。

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