結婚したら本籍はどこになる?決め方や婚姻届の手続きを解説

結婚したら本籍はどこになる?決め方や婚姻届の手続きを解説

結婚が決まり、婚姻届を提出する際に気になるのが「本籍」の問題です。本籍とは何か、どこにすれば良いのかと迷っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、本籍について基本的な知識や手続き、注意点などについて解説します。

1.本籍の基礎知識

本籍について、これまで意識していなかった方も多いかもしれません。まずは、本籍の定義や役割、住所との違いを理解しましょう。

本籍とは?

「本籍」とは、「戸籍がある場所」のことで、「戸籍」とは日本に生まれた個人の生涯の身分関係を登録・証明する公文書です。戸籍には、個人の出生から死亡に至るまでの結婚や夫婦の間に生まれた子供(養子縁組のケースも含む)といった家族関係が記載されています。最初に述べたとおり「戸籍のある場所が本籍」ですが、本籍は必ずしも実際に住んでいる場所である必要がないとご存じの方は少ないかもしれません。本籍は日本の土地台帳に載っている場所であれば、どこでも設定できます。
結婚して新しい戸籍を作成する際には、同時に新たに本籍を定める必要があります。この際、おふたりのどちらかの現在の本籍を引き継ぐか、全く新しい場所を本籍として選択できます。

本籍と住所の違い

本籍と住所はしばしば混同されますが、以下のように異なります。

本籍 住所
定義 本籍として届け出た場所(日本国内であれば自由) 実際に住んでいる場所
証明書 戸籍謄本などの各戸籍証明 住民票の写し、戸籍の附票など
根拠となる法律 戸籍法 住民基本台帳法
変更方法 転籍届、婚姻届、離婚届など 転出・転入届、転居届

本籍は戸籍法に基づき、婚姻届や転籍届で届け出た場所を指し、戸籍謄本などで証明します。一方、住所は住民基本台帳法に基づく「実際に住んでいる場所」で、住民票の写しや戸籍の附票で証明するものです。
本籍の変更には転籍届が必要ですが、婚姻届などの戸籍関係の届出でも変更できます。住所の変更には転出・転入届や転居届が必要です。
例えば、婚姻届を提出すると同時に本籍が変更されるケースがありますが、住所は自動的には変更されません。新居に引っ越す場合は、別途住所変更の届出が必要です。逆に言えば、住所変更の届出だけでは本籍は変更されません。
このように、本籍と住所は別々の概念であり、それぞれ異なる手続きが必要となります。
また、「本籍」と混同されがちな言葉として「本籍地」があります。両者は文脈によって同じ意味で扱われることもありますが、実際は別物です。本籍は「戸籍のある場所」であり、本籍地は「戸籍を管理する自治体」を指しています。例えば、本籍が東京都千代田区千代田1番の場合、本籍地は東京都千代田区となります。

2.結婚後の本籍の決め方について

結婚後の本籍選びについて、基本的な知識と選択肢をご紹介します。

新本籍の決め方とは?

先述したとおり、結婚後の新しい本籍は日本国内であればどこでも自由に選べます。例えば、新居や思い出の場所、どちらかの実家など、多くの選択肢から選んでもかまいません。以下で詳しくご紹介します。

おふたりの新居

結婚を機に新しい家を購入したり、賃貸で新居を構えたりする場合、そこを本籍にする方も多くいらっしゃいます。賃貸か持家かは特に関係ありません。新居を本籍にすることで、新生活のスタートという実感や、新鮮な気持ちを味わえるでしょう。
また、詳しくは後述しますが、本籍と実際に住んでいる場所が近いと、本籍を記した書類が必要になった際に便利な面もあります。

思い出の場所

おふたりにとって特別な思い出のある場所を本籍にするのも素敵な選択です。例えば、はじめてデートしたテーマパークや、プロポーズをしたレストラン、結婚式を挙げた式場などが候補として挙げられるでしょう。本籍を決める際に思い出話として振り返ることで、おふたりの絆がより深まるきっかけになるかもしれません。
また、訪れたことがあるかないかにかかわらず、東京タワーや東京スカイツリー、皇居など有名なスポットに本籍を置く方もいらっしゃいます。この場合でも、日本国内に住所があるので問題はありません。

パートナーのどちらかの実家

ご家族の意向や慣習を重視したい場合、おふたりどちらかの実家を本籍にする方も多くいらっしゃるようです。
例えば、長男が家を継ぐ習慣があるご家庭では、夫となる方の実家の住所を本籍にするケースが多いでしょう。あるいは、婿入りをする場合には妻となる方のご実家を本籍に選ぶこともあります。おふたりで本籍を決める前に、あらかじめ親御様のご意向を確認してみると良いでしょう。
また、この決め方であれば、どちらかの馴染み深い場所を登録しているため「本籍をどこにしたか忘れてしまった」となりにくいことがメリットです。

3.新本籍を決める際の注意点

新本籍を決める際の注意点

日本国内であればどの場所を本籍にしても問題ありませんが、決定する前に注意しておきたいポイントもあります。以下の注意点も加味したうえで、おふたりで話し合って本籍を決めましょう。

一度決めた本籍を変更する手続き

本籍は、結婚した後でも変更できます。特に変更回数の制限もありません。ただし、本籍の変更には転籍届の提出が必須です。転籍届は、現在の本籍か新しい本籍、または届出人の所在地のいずれかの役所で提出します。
また、本籍を変更した後は、以下の書類の変更手続きも必要になることがあるため、該当する方は確認しておきましょう。

  • 運転免許証:記載事項の変更を管轄の警察署か運転免許センターにて行う
  • パスポート:パスポートは返納して新しいパスポートを発行する、または残存有効期間と同じパスポートである「記載事項変更旅券」を発行する

※変更前の戸籍と同じ県内で移籍した場合、手続きは不要

上記の変更手続きには、戸籍謄本が必要だったり、手数料がかかったりする場合もあります。
さらに、将来の話にはなりますが、相続手続きにも影響があります。相続人は故人のすべての戸籍謄本を用意する必要があるため、本籍の変更が多いとその分取得する戸籍謄本の数も増えることになり、手間が増えてしまいます。
このように、本籍変更には手間や費用がかかることがあるため、新しい本籍を決める際は慎重に検討しましょう。

遠方の本籍の不便さ

新しい本籍を遠方に設定すると、戸籍謄本の取り寄せなどが不便になる場合があります。
2024年の戸籍法改正により導入された「戸籍謄本等の広域交付制度」のおかげで「戸籍謄本」であれば全国どこの役所でも取得可能になりました。また、マイナンバーカードがあり、自治体が対応していればオンラインでも請求ができます。
ただし、これは「戸籍謄本」に限った話で、戸籍抄本や除籍抄本、戸籍の附票など、電子化されていない戸籍は取得できません。これらの書類に関しては、これまで通り本籍のある市区町村役場に申請する必要があります。その際、住んでいる場所と本籍のある場所が遠いと郵送での手続きになりますが、返送されるまでに時間がかかる可能性があります。足を運ぶとしても、遠方の場合はどうしても手間になってしまいます。
そのため、書類の入手が急を要する場合には、住んでいる場所と本籍が近いほうが便利な場合もあると言えるでしょう。

親御様の意向を確認する

新しい本籍は基本的におふたりで決めるものですが、お互いの親御様の意向を確認することも大切です。これは、家を継ぐことや実家の本籍を引き継ぐことを期待されている場合があるためです。
親御様の意向を事前に確認し、夫婦で話し合うことで、家族間の理解を深めることができます。もし、親御様の希望と自分たちの希望が異なる場合でも、お互いの気持ちを尊重しながら、丁寧に説明することが大切です。
結婚に対する価値観は世代や地域、その方の考えによっても異なるため、親御様の気持ちを尊重しつつ、おふたりでしっかり話し合いをしましょう。場合によっては、両家の中間地点を選ぶなど、双方の気持ちを汲み取るような折衷案を考えることも一つの方法です。

土地台帳との一致

新本籍を決める際は、その住所が「土地台帳」に記載されているものと一致していることを確認するようにしてください。
特に、思い出の場所や有名スポットを本籍にしたい場合は注意が必要です。有名スポットや観光名所などを新しい本籍とする場合、ガイドブックに記載された住所と土地台帳に記載された住所が異なることがあるためです。他にも、同じ地名でも町丁目や番地が複数存在する場合もあるため注意しましょう。
間違った住所を記入すると婚姻届が受理されない場合があるため、土地台帳を確認するか、自治体の役所に問い合わせて正確な住所を確認することをおすすめします。なお、土地台帳は法務局に申請すると無料で入手可能です。

4.結婚による本籍変更の手続き

結婚による本籍の変更は、婚姻届の提出によって手続きが進みます。以下で具体的に説明します。

婚姻届における本籍の記入方法

婚姻届には「婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍」という欄があります。
この欄では、まず婚姻後に名乗る夫婦どちらかの姓(名字)を選択しましょう。その次に、おふたりの新しい本籍を記入します。この時、本籍にはアパートやマンションの名称、部屋番号などは不要です。誤って記入しないように注意してください。また、正確な住所が不明瞭な場合は、新しい本籍がある市区町村役場に問い合わせて確認すると良いでしょう。

本籍変更の手続きと必要書類

婚姻届の提出の際は、以下を用意しましょう。

  • 婚姻届:市区町村役場で入手でき、書き損じに備えて2~3枚用意する
  • 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど
  • 印鑑:任意
  • ペン:黒のボールペンや万年筆(熱でインクが消えないもの)

2024年3月1日以降、婚姻届に戸籍証明書(戸籍謄本または抄本)を添付する必要がなくなりました。ただし、これまで述べてきたように婚姻届には現在の本籍を記載する項目があるため、必要であれば事前に取り寄せておくと良いでしょう。
婚姻届を提出することで、その日から法的に夫婦となり、新しい戸籍が作成されます。提出前には、記入漏れがないか、証人二名の署名と押印(任意)が揃っているかを確認しましょう。

5.本籍を決める際のQ&A

本籍を決める際のQ&A

ここでは、本籍を決める際によくある疑問にお答えします。

本籍を夫婦別々にすることは可能ですか?

夫婦が別々の本籍を持つことはできません。結婚により、夫婦は必ず一つの本籍を共有する必要があります。これは、戸籍制度において家族の一体性を法的に表現するために定められています。
結婚時には、夫婦のどちらか一方の本籍に入るか、新しい場所を本籍として共同で選ぶことができますが、どちらの場合も同じ本籍を共有することになります。なお、住民票上の住所は夫婦で別々に設定することが可能です。

本籍を間違えて提出した場合はどうすればいいですか?

婚姻届の本籍を間違えて提出した場合は、速やかに対処することが重要です。まず、提出した役所に連絡し、本籍の誤りを伝えましょう。役所の指示に従い、婚姻届の訂正や戸籍訂正申請の手続きを進めてください。
婚姻届の本籍を間違えた際は、以下の手順で訂正しましょう。

  • 間違った部分に一本線または二重線を引く
  • その近くの空いているところに正しい内容を書く
  • 用紙の余白に、何文字追加したか、何文字消したかを書く(例:「2字追加1字削除」)
  • 「届出人欄」で押した印鑑と同じ印鑑を余白に押す(夫婦二人分)

なお、婚姻届には修正液や修正テープの使用が認められていないため、使わないように注意しましょう。
婚姻届は、おふたりの記念日や誕生日など思い入れのある日に提出したいという方も多くいらっしゃいます。不備があって受理されないと希望の日付で入籍できなくなるため、提出前のチェックを入念に行いましょう。

6.結婚後の本籍の決め方

今回は、意外と知らない「本籍」について、基本的な知識や決め方などをご紹介しました。本籍が自由に決められると知って、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。おふたりの新居や思い出の場所、ご実家、有名なスポットなどその候補は様々です。親御様の意見も伺いつつ、おふたりが納得いく場所を決めましょう。
婚約を機に本籍について話し合いながら、挙式についても準備を進めましょう。ホテル椿山荘東京は、チャペルウエディングや神前挙式をはじめ、少人数結婚式や料亭ウエディングなどの挙式スタイルにも対応しております。フォトウエディングにふさわしいロケーションや、ご両家のお顔合わせにもご利用いただけるレストラン・料亭もご用意しております。以下のページで詳しく紹介していますので、どうぞご覧ください。

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