婚姻届の証人は誰にする?お願いするときのマナーや注意点まとめ
日本で法的に結婚を成立させるためには、婚姻届を役所に提出する必要があります。また、その婚姻届には「証人」による署名が必須になるため、事前に婚姻届に署名をしてくれる証人を選ばなくてはいけません。
本記事では、婚姻届に証人が必要な理由やその役割、証人になる際の注意点、証人をお願いする際のマナーについて分かりやすくご紹介します。結婚にあたり、どなたに証人をしてもらうかお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
- 1.婚姻届で必要になる証人とは?
- 2.婚姻届の証人の選び方
- 3.婚姻届の証人を頼める人がいない場合はどうすればいいの?
- 4.婚姻届の証人を頼むときのマナー
- 5.婚姻届の証人欄の書き方と注意点
- 6.【補足】婚姻届はオリジナルでも作成できる
1.婚姻届で必要になる証人とは?
婚姻届を受理してもらうためには、夫と妻がそれぞれ選んだ2名の証人に署名と捺印をしてもらう必要があります。以下では、証人の役割や証人欄への正しい書き方、「証人になるリスクはあるの?」という疑問にお答えします。
婚姻届の証人の定義
婚姻届の証人は、結婚を公的に認めてもらうために重要な役割を果たす人のことです。婚姻届は日本の民法第739条によって定められており、身分の変動を伴う重要な届け出の一部とされているので、「成人(18才以上)の証人が2人以上署名すること」と決められています。成人の年齢基準は、2022年4月1日の法改正によって20歳から18歳に引き下げられました。
婚姻届の証人の役割とは?
婚姻届は、新たな戸籍が作られる重要な届け出であるため、届け出の正確性を高める役割を持っています。婚姻届には「成人の証人が2人以上署名すること」が法律で定められているので、証人欄に記載がないと婚姻届は受理されません。証人が必要な理由として、偽装結婚や無断で婚姻届が提出されてしまうことを防ぐ役割を果たしています。
婚姻届の証人になるリスクはある?
婚姻届の証人にリスクはなく、万が一、結婚生活が破綻してしまったとしても責任を負わされることはありません。婚姻届の証人は、文字通り婚姻が正当か証明する人のことで、婚姻を保証する人ではないのです。
2.婚姻届の証人の選び方
婚姻届の証人選びは、両親、兄弟、仲の良い友人など、基本的に成人していれば誰でもかまいません。そのため、まったく関わりのない人に書いてもらうことも問題はないと言えます。以下では、実際に婚姻届を提出した方々が、誰を証人に選んだのか、その理由も含めてご紹介します。
両親や親族を選ぶ場合
証人は、自分の成長を一番近くで見守ってくれて、今後もお世話になることが多い両親にお願いする方がほとんどです。その他にも、仲の良い兄弟姉妹や、幼い頃にかわいがってくれた祖父や祖母、親戚の方に証人のお願いをする方もいます。
友人を選ぶ場合
「2人のキューピッドになってくれた」「2人の関係を見守ってくれた」といった理由から、親しい友人を証人に選ぶ方も多くいるようです。夫婦共通の親友、趣味仲間など大切に思っている人に証人としてお願いするパターンもあります。また、友人に証人をお願いする場合は、結婚式のスピーチで付き合った頃のエピソードを語ってもらうのも素敵な思い出になるでしょう。
上司・恩師・先輩を選ぶ場合
職場結婚や同じ学校の知り合い同士で結婚する場合は、2人を見守ってくれた上司や恩師に証人を頼むという方法もあります。お世話になった方や日頃から尊敬している方に、お礼や「これからもよろしくお願いします」という意味を込めて証人をお願いするのも選択肢の一つです。
実際に婚姻届の証人として選ばれるのは?
実際に婚姻届の証人として誰を選んだのか調査したアンケートによると、50%以上の方が父親、20%が母親という結果でした。両親にお願いした割合は70%以上になるので、やはり一般的には両親に頼んでいます。「両親に感謝する意味を込めてお願いした」「支えてくれた大切な存在だからお願いした」という理由で、両親を選ぶ方がほとんどです。
外国人に婚姻届の証人を頼む場合は?
婚姻届の証人を外国人に頼む場合は、証人になる外国人が国籍を持つ国で成人していることが条件です。また、外国人の証人が日本に居住している必要はありません。
婚姻届に証人として記載する際は、証人の本籍欄は国籍で記載し、在留カードやパスポートの写しなど証人の実在が確認できる書類を提出する必要があります。
3.婚姻届の証人を頼める人がいない場合はどうすればいいの?
「両親にお願いすることが難しい」「友人・知人がいない」「会社勤めをしていない」といった場合だけでなく、極端にいえば、道端で声をかけた人に証人を依頼しても法的には問題ないのです。
ただし、証人は実名や住所・本籍地を記載しなければならないので、まったく面識のない人だとまず証人にはなってくれないでしょう。その場合、大家さんやマンションの管理人、習い事の先生など、日常生活で接している人に頼むのも一つの方法です。
どうしても証人が見つからないときは、証人を代行してくれるサービスを利用するという方法もあります。証人代行サービスは弁護士や行政書士事務所、個人が有料で行っており、証人2名分で5,000円~1万円程度が相場です。
証人代行を依頼する際の注意点
婚姻届には氏名・住所・本籍などプライベートな情報が詰まっています。証人代行サービスを利用する場合には、個人情報の扱いを任せても問題ない業者を慎重に選びましょう。通常は守秘義務によって個人情報は守られますが、プライベートな情報を悪用する業者がいないとは言い切れません。証人代行サービスを利用する場合は、弁護士や行政書士などの専門家に依頼し、サービスを利用する際には契約書・規約・約款にきちんと目を通すことをおすすめします。
4.婚姻届の証人を頼むときのマナー
婚姻届の証人を頼むときにはマナーがあります。少し堅く難しいイメージがありますが、そんなことはありません。署名する側の立場になって考えることで、相手も快く署名してくれるでしょう。ここでは、署名をお願いするときのマナーをご紹介します。
事前に証人になってほしいことを伝えておく
証人をお願いするときに、婚姻届を持っておふたり揃って出向くのはもちろんですが、まずは「証人になって欲しい」と事前に内容を伝えておくことが重要です。承認は、本人の署名(氏名)、生年月日、住所、本籍を記入して捺印(認印・実印)します。いきなり署名をお願いしても、すぐには本籍地が分からないと言われてしまうかもしれません。サプライズで婚姻届を渡すと相手を困らせてしまう可能性があるため、事前に「証人になってほしい」と伝えて、用意してほしいものをお知らせしてから出向きましょう。
菓子折りなどを持参する
証人のお願いとして出向く際は、お礼の意味を兼ねて菓子折りや、相手の嗜好品などを持参しましょう。贈る品物は高価なものを用意すれば良いというわけではありません。高価過ぎる品物は相手が困ってしまうこともあるので、基本的に3,000円程度の品物なら、気兼ねなく受け取ってくれるでしょう。
家族以外の友人などにお願いする場合には、いつも接するときよりも改まってお願いすると気持ちが伝わります。婚姻届の証人がいなければ婚姻届は受理されないので、気持ちを込めてお願いしましょう。
婚姻届を提出したら報告する
婚姻届を提出したら、誰に頼んだかを問わず、証人を受けてくれた方に提出したことの報告、お礼の連絡をしましょう。証人に「署名したのになんの連絡もない」と思われないように、届け出たことをしっかりと報告してください。その際、食事会を開催したり、証人の自宅に出向くと丁寧です。両親に証人を頼む場合は、両家顔合わせのタイミングで婚姻届を提出した旨をご報告することが一般的です。
5.婚姻届の証人欄の書き方と注意点
婚姻届は正確に記載することが求められており、誤った書き方をすると婚姻届が受理されません。ここでは、証人欄の書き方と注意点について紹介します。
証人欄の書き方
証人欄には、次の内容を記入して、捺印(認印、実印)をします。
- 証人本人の署名(氏名)
- 生年月日(和暦)
- 住所
- 本籍
証人が遠くに住んでいる場合は、郵送でやり取りをしても問題ありません。
黒の消えないペンで書く
婚姻届は公的書類なので、黒いインクで消えないペンを使用します。鉛筆や消せるボールペンなど、後から書き直せる筆記具は使用せず、油性ボールペンや万年筆などで書きましょう。
生年月日や住所の記入について
生年月日は和暦(昭和、平成など)で書きます。住所は「ハイフン」を使わず、住民票に記載されている通りに「丁目」「番」「号」で記入します。
例えば、◯◯県〇〇市〇〇区〇〇丁目◯番◯号などのように、住民票、戸籍謄本の表記と同じように書きましょう。
婚姻届の捺印は必須ではない
2021年9月から、婚姻届の捺印は任意になりました。捺印する欄は残されているので、「印鑑を押したい」という人は捺印しても問題ありません。ただし、任意とはいえ好きな印鑑を押していいわけではなく、捺印する場合は公的書類としてのルールに従う必要があります。
スタンプ型印鑑やゴム印は使えない
婚姻届にスタンプ型印鑑やゴム印を使用することはできません。スタンプ型印鑑やゴム印は印形が変形しやすいため、公的な書類には不向きです。認印を使う場合は、スタンプ型印鑑やゴム印を使わないように注意しましょう。不安な場合は実印か銀行印を使うことをおすすめします。
- 実印:役所に登録した印鑑
- 銀行印:金融機関に登録した印鑑
- 認印:どこにも登録していない印鑑
同じ姓の場合は別々の印鑑を用意する
両親や兄弟など、同じ名字2名に証人をお願いする場合は、別々の印鑑が必要です。証人に関しては実印や認印(三文判)で問題ありません。
記入欄外に捨印(すていん)を押してもらう
証人の方には、記入ミスに備えて「捨印」をしてもらいましょう。捨印とは、行政機関の修正を認める意味で印鑑を押すこと、「訂正印」の代わりとして使われます。つまり、捨印を押しておけば、後からミスが見つかっても、軽微なものであれば役所の担当者に修正してもらえるということです。
基本的に証人の捨印欄は設けられていないので、証人から捨印をもらう場合は欄外に押してもらい、その下に「※捨印」と記載します。
間違えた場合は二重線と捺印で訂正
婚姻届は公的文書として扱われます。もし捺印を間違ってしまった場合には、修正液、修正テープを使用してはいけません。印影が薄い、にじんでいる、上下が逆さまなどの場合は二重線で訂正して捺印し直しましょう。
ただし、婚姻届は重要な書類になるので、訂正するよりも事前に婚姻届の予備を用意し、キレイな状態で提出することをおすすめします。
必ず直筆で書いてもらう
「証人が遠方に住んでいる」「証人が外国人だから」などの理由で、新郎新婦や第三者が証人欄を代筆したいと考えることがあるかもしれませんが、証人欄の代筆は認められていません。
証人は、届け出の正確性を高めるための存在です。証人欄が代筆であることが明らかになると、婚姻が無効になってしまう可能性もあるので、必ず直筆で書いてもらってください。証人が遠方にお住まいの場合は、郵送をして記載してもらうことをおすすめします。
外国人に婚姻届の証人欄を書いてもらうときの注意点
- フルネームで署名する(ミドルネームは省略しない)
- 漢字表記のない国の場合カタカナかアルファベットで書く
- 生年月日は西暦
- 住所は現住所、本籍は国籍を記入
- 印鑑ではなくサインでも良い
署名はフルネームで、ミドルネームは省略せずに記載します。漢字表記のない国籍の人には、名前をカタカナかアルファベットで書いてもらいます。
生年月日の記入は、西暦で行います。年齢の計算や成人か否かの確認に影響を与える可能性があるからです。証人は日本在住である必要はありませんが、現住所と本籍地は必ず記入するようにしましょう。現住所はその人が現在住んでいる場所、本籍はその人の国籍を記入します。
また、日本の婚姻届では一般的に印鑑を押すことが多いですが、外国人の証人の場合は印鑑ではなくサインでも可能です。重要なのはその人が本人であることを証明する意思表示であるため、その人自身の特徴的なサインであれば問題ありません。
6.【補足】婚姻届はオリジナルでも作成できる
婚姻届といえば、市町村役場で手に入るシンプルなデザインのものが一般的ですが、フォーマットを守っていればカラフルなデザインの婚姻届も受理されます。オリジナル婚姻届は記念品として残しておけるので、最近では凝ったデザインの婚姻届を届け出るおふたりも増えており、インターネット上には婚姻届のテンプレートもたくさんあります。
ただし、自治体によってはオリジナル婚姻届が受理されないところもあるので注意が必要です。自治体が発行しているオリジナル婚姻届を利用する場合でも、あらかじめ役所に確認しておきましょう。
オリジナル婚姻届が受理されるためのポイント
オリジナル婚姻届を作成する際には、法的な規定や自治体のガイドラインを遵守することが重要です。ここからは、オリジナル婚姻届を受理してもらうためのポイントを紹介します。
1.規定のサイズを守る
婚姻届は、戸籍法によって「A3用紙」で「用紙の方向が横向き」であると定められています。また、A3サイズで横向きであっても、切り込みやエンボスなど特殊な加工が施された婚姻届は受理されません。
2.普通紙か上質紙を使う
婚姻届には、普通紙(コピー紙)や上質紙を使いましょう。婚姻届には27年間の保存期間があるので、用紙や記載内容が劣化しない紙を選ぶことが大切です。熱で変化する感熱紙は使用できません。その他には、丈夫な和紙を使った婚姻届等もあります。
3.必要な項目を全て記入する
婚姻届は、戸籍法施行規則第59条の「規定の項目」をすべて満たしている必要があります。婚姻届に写真やイラストを印刷する場合は、戸籍法施行規則附録第12号の様式に従って作成しましょう。
4.文字サイズやフォントを変更しない
婚姻届の文字サイズやフォントの変更は認められていません。文字のサイズやフォントを変更してしまうと、項目をすべて満たしていても受理されないので注意しましょう。
5.枠線や枠内にデザインを入れない
記入欄の中にデザインを施すことについては明確に禁止されていませんが、記載内容が読みにくいとみなされると受理されない可能性があります。ただし、枠線の色を変えることは可能です。写真やイラストなどのデザインは枠線の外に配置し、枠内の内容がはっきりと読めるような婚姻届にしましょう。
婚姻届を出す際には、証人の署名がなければ受理されません。結婚するおふたりが証人欄の書き方を理解しておけば、証人の方が記入するときにもスムーズに手続きを進められます。また、証人のお願いをする方に失礼のないように事前報告をして、婚姻届を提出した後には、届け出をした旨をきちんと伝えましょう。役所からいただく婚姻届に記載してそのまま提出してもいいですが、記念として保管用の婚姻届を手元に置いておく場合は、オリジナル婚姻届を使うのもおすすめです。
婚姻届を提出したら、次は挙式や披露宴が控えています。挙式や披露宴の準備期間はおよそ1年。長い準備期間に思えますが、会場探し、ゲストの選定、衣装や料理の決定、当日のプログラム作成など、1年でも足りないくらいやるべきことがたくさんあります。
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